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青4





「わあ〜
燐、ほんとに女の子になっちゃったんだね」
「お、おう…」

放課後、隣の席のしえみが話しかけてきた
いつもより近い視点とか
いつもより躊躇無く(いやいつも無いけど!)近づく所とか
とにかくいつもと接し方が全然違うから、かなりどきどきする
やばい
なんか良いにおいする
すげえ
ほんとに同じ人間か!?

「だからジャージなんだねぇ〜」
「しっ、仕方なかったんだよっ…
制服は…でかすぎて
すぐバレちまうと思ったから」
「でも結局すぐわかっちゃったね」
「う…
まあ、雪男だからなー」

それこそ仕方がないかも知れない
むしろ俺のジャージ姿よりも
自分より俺の方が速く家を出ていた事に疑問を持っていたのかも

放課後と言っても、すぐに解散はしない
神木や宝以外はしばらく談笑する
なので俺達の他に、教室内には三人いる
いわずともわかる、京都弁組

「ねえねえ燐〜
おしゃれする気ない?」
「は!?
ね、ねぇよ!!!」
「えぇ、なんで?せっかく女の子になったんだよ?楽しもうよ!」
「た、たのしくなんかねーよ!」
「うーん…
まあ楽しくないかも知れないけど、
しようよ、おしゃれ」

う…
と、しえみにお願いされて、ちょっと、うん、揺らぐ
こいつは友達が欲しいって言ってた
出雲とは共にオシャレをするほどまだ仲良くなっていないようだし
憧れの行動なのかもしれない
そう思うと、承諾しそうになる

いやでも
それはさすがに
健全な男子高校生として
おしゃれってのはちょっと
はい
うん
生理的に拒否る

「りん〜」
「だあああ!
いーやーだーっつの!」
「おねがい!おねがいだよ燐!
いっしょーのおねがいってヤツだよ!
もう付き合ってくれるだけでもいいから
一緒にお買い物とか、しよっ?」
「う…」
「女の子の格好で」
「絶対イヤだあああああああ!!!!!!」


しえみに迫られている所で

「やったれや」

と、声がした

ふい、とそちらを見ると
机を挟んで三人が立っていた

「やったれや…って、勝呂
お前マジで言ってんのかよ」
「大マジや
社山さんがこんだけ言うとるやろが
男なら付き合ってやらんかい」
「せやよ、奥村君
一生のお願いて言うとりますよ?」
「志摩は黙ってろ」

さっきのことを忘れたわけじゃねーぞ

「でも、よ…さすがに十五の男子がおしゃれとか無理だろ…」
「今お前女やないか」
「いや確かにそーっちゃそーだけどよ
中身はオトコのコだぞ」
「ええやん女子高生の身体、堪能すればあ」
「だからなんでそーいう発想にいくんだよ」
「あ、そういえば奥村君」

と、
子猫丸が声を発する

「今日、お風呂どないするんですか?」
「へ?」
「いやだって奥村君
自分の身体洗えるんですか?」
「……………………―――ッ!!」

ぼぼぼっ
と顔が真っ赤になる感覚がする
やばい
そーいえば
どうしよう
いや確かに、俺は正直言って女性の身体に興味がある
あるけど
でも自分がそうなりたかったワケじゃねーんだ!
つか自分で自分の触るのってどーだよ!?

「ここここねこまるゥ!?お前何言うとんのや!」
「いやだって気になりますやん」
「いかん!志摩の悪影響や
志摩、いっぺん死んでこい」
「えええ!?俺のせいですか」
「でもそーだねえ、燐
どうするの?」

「う、うー…」

一瞬、雪男に洗って貰おうかとも思ったが
あいつだって一応男子高校生だし
やめたほうが良いよなあ…

「あ、じゃあこうすればええんとちゃいます?」
「なんや志摩
なんで生きとるんや。酸素の無駄やろ」
「坊ちょっとキツすぎません!?
じゃなくて、
社山さんの家に泊まればええじゃないですか」

泊まる…?
泊まるって
しえみの家に!?
んで、
しえみに背中流して貰ったり
しえみと一緒に寝たりしろってか!?

「ああ、それはええわ
そうしい」
「うん、そうしよう燐!」
「は、はあ―――ッ!!!!!?????」






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