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青3





「じゃあ今、奥村君は女なんか?」
「…うん」

と、ジャージの袖も裾も直したクラスメイトは頷く
白い腕や細い足首が見れなくなって残念、
と、俺、志摩廉造は肩を落とす

俺の周りには今、奥村君と坊だけがいる
社山さんはマイペースにトイレへ、神木さんは一人で勉強、子猫丸は珍しく忘れ物をし、急いで取りに帰っていた


「でも女になっただけでわからんもんなの?
今日、お命頂戴されそうなんやろ?」
「さあなあ…
敵は俺の事を男って思ってるだろうし、わかんねんじゃね?」
「適当やね」

せやかて、心配なもんは心配
だって別の理由で襲われそうやし
ありえるなあ
ゴムを取って、少し長くなった髪の毛が肩に垂れてたりとか
少し恥ずかしそうに目を伏せて、長いまつげに影が出来たりとか、
なぜかちょいっと内股なとことか
すっごい、可愛い

「お前いつ戻るんや?」

と坊が言う
なんてことを!
もう少しこの私服の時間を楽しみたいちゅうに!

「それこそわかんねぇよ
丸一日は保つらしいけど
一週間とか二週間とか、はたまた一生…ってことはないだろうけど」
「ええね
一生そのままがええわ」
「おい志摩」

冗談はよせよ
と怒った風に言う
ぜんっぜん恐ないわー
逆に可愛えなあもう
なんでそんなに可愛いん?

「まあまあ、そんなんはよくてー
実際、女の子の身体って、どんな感じなんです?」
「どんな…って」

ちら、と自分の身体を眺める奥村君
ほどなくして、顔が真っ赤になる

「おおおおおい奥村ァ!?
まままさかお前、自分の触ったりとか」
「してねええよ!!!!!」
「坊、ストレートすぎるわ
俺やったら触る。絶対」
「お前は少し黙っててくれ」

なんなんもー
だって気になるやんかー♪

「どうどう?やぁらかいん?」
「そ、そそそそそんなこと聞くなよっ!」
「あー?もしや、触ってへんなー?」
「さささささわるとかありえねーしっ!!!」
「あ、そお?」

じゃあ俺が触ったげるよ、
というと
一瞬惚けた顔になる奥村君
右手にふに、とした感触
あらー…やっぱそんなに大きないなあ…

「ふ、ぎゃ、ふぎゃああああああああああああああああっ!!!!!!??????」
「ししししっししっししし志摩ァ!お前ェ今なにしたア!!!!!!」
「なんですかあ二人して」

ぱ、と手を離す
ばばばっと両手を×の字にする奥村君
護るように俺と彼の間に入ってくる坊
もー…
悔しい俺だってーて顔に書いてありますよ坊

「し、ししししまおまえぇぇ………」

ぷるぷる震えてうっすら涙目になる奥村君
…………やばいわ
やばいやばい
まじでなんか持ってかれたわ
ずきゅーんてなった
ちょ、坊邪魔

「邪魔じゃあらへん!お前仮にも坊主やろが!」
「坊主の前にオトコノコですよ」
「お前は鍛え直してこい!色々!!」
「えぇ〜っ色々ってなに」

バァン!!!!!!!!

と、銃声
…え?
銃声?
まじで
じゃあなに?
あの超ブラコン先生がいらっしゃられるってこと?

「…志摩君?」
「………………………はい」
「来い」

どうやら地雷、踏んじまったようです











(大丈夫か奥村?)
(うん……ありがとうな、勝呂)
(ずっきゅーん!)


あきゅろす。
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