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青の祓魔師








「今日、君は殺されます」





早朝
腹が重いと思いながら起きあがれば、上には犬型のメフィスト
なんだよ、と言えば
少し用事がありますとだけ言われ、ぼーっとする頭で歩けばいつのまにかどっかの部屋
中がどピンクな所を見ると、理事長室か私室かの予想が付いた
そこで言われた一言



「………はァ?」

首を傾げる意外にどうしろと
と燐は思う
使い魔であるクロを寮に置いたまま出てきた
双子の弟はとうの昔に登校しているらしい
そういえば作り置きしてた朝食は食べていったのだろうか
あとで確かめないとなー…
と、どうでもいいことを考え始めてしまう

「…ちょっと
真面目にとらえてないでしょう」
「ッたり前だろーが!はあ?わけわかんねーよ
なんで急に殺されんだよ
まだ半年たってねーぞ!」

がうがうがうっ!
鬱憤を晴らすように言ってみた
いつ殺されてもおかしくない状況なのに
なんで急にそれが今日ってわかるんだよ?

「っあー…
まあ、
こちらにも色々と事情があるわけですよ
それでですね、聞いた話に寄れば
今日君を殺すと宣言した馬鹿上級祓魔師がいたらしいんです」
「………うん」

珍しく真面目なメフィスト
もしかして本気でやばいのか?
少し深刻に捕らえる

「で、私的にはそんな簡単に殺されてはね、面白くないっていうか…」
「俺の良心を返せ!」

が、そこまでやばくはないのかもしれない

「うるさいですねェ
とりあえず今日は大人しく私にデザートでも作ってろって話しなんですよ」
「絶対ェイヤだ!断固断る!
俺はガッコ行くぞ
さぼったりしたらまた何か言われるし」

やっぱり拒否しますか、
とメフィストは溜息を吐く
なんだよその余裕綽々って感じは
なんか楽しんでねえかコイツ

「がーっ!お前知事長だろー?なんとかできねーのかよ」
「理事長ですがね
…まあ…
君のその反応は予測してましたからねぇ」

仕方がないという風に、部屋にあった机の引き出しをあさるメフィスト
何出すんだ?
燐の脳裏には結界装置や臭いを消す道具など、比較的普通な物が浮かんでいた

数秒引き出しをあさったメフィストが取り出したのは
かなり大型、一、二リットルはあるであろう香水瓶

「…でかっ」
「まあ、これをかければ今日一日くらいはなんとかなるでしょう」
「なんだそれ?姿でも消えるのか?」
「…まあ、そんな感じですかね」

瓶の上部にある大型の蓋をきゅぽっ、と外すメフィスト
ぷーん、とミントのような少しさっぱりした臭いが漂う
こういう臭いはイヤじゃない

「ふーん?結構良いにおいじゃねぇか」
「そうですねッ…」

メフィストは瓶の側面をがしり、と掴む

「…?」

なんだ?と不審に思う
そう思考していた燐へ
思い切り、瓶ごと香水を投げかけた











「おいぃいいぃぃいいいいいい!!!!なにすんだお前はあ!!」

今の格好がパジャマで良かった
と心底思う
瓶が直撃した頭は痛いし
頭から香水被って鼻が千切れそうだ
いくら良いにおいでも限度があるだろ

「…うーん、面白い」
「なにがだよっ!?」
「実はですねー
この香水、私にもよくわからないんですよねー
姿が消えたりするのかって言われましたけど
実際どうなるかは不明だったんです」
「そんな危険な物を俺に使ったのか!!??」
「ええ
でもまあ、効果が解ったので良いですよ」
「…効果?
………あぁ、効果な
俺なんか変わったか?」
「ええ、大幅に
見てる側としてはとても面白いですね」
「?」

ふ、と自分の両手を見る
ちゃんと五本指
ただ、少し細く短くなってる気がする
そういえば、メフィストとはこんなに身長差があったか
というか、なんとなく服が大きい
そして首周辺がもさもさする

そこまで確かめて
燐は最悪の想像をする

「おっ…!おま!」
「おや、まだ確信を見てないでしょう?
こう、襟を前に引っ張ればわかるんじゃないですか」

急いでぐい、と引っ張る
そこには
未知の双丘が二つ

「おん、まっ…!!!
メフィストぉおおおおおおおおおおおおおおおおおー!!!!」
「あー、たのしいたのしい」









…つづく?


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