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寝正月、三キログラム増




「はあ…」

あれから私達は、三人でギルドに帰ってきた
それから、少しギクシャク
クエストだってこなすけど
だけどやっぱり、やりにくい
ナツがあっさり諦めるなんて、やっぱり…

「どうしたの?ルーシィ」
「ミラさん…」

こと、とミラさんがコーヒーを置いてくれる
優しいなー…やっぱり
ミラさんは、反対しなかった、というか
できなかったって言ってた
苦しそうな顔してたから、って
でも、それでも…
止めてほしかったかも

「ユウさんが〜」
「あら、会えたのね」
「はい…でも、うー…」
「決めたんだ、って言われたでしょ」
「はい」
「そう言われちゃあ、もう、ね?」
「そうですけどお…」

いい人すぎて…
諦められないぃ






「失礼いたしますッ!」

ギルドの開けっ放しのドアが
ドンドンドン、と叩かれる
というか、殴られている
その場にいた皆が皆、そちらを、向く

「な、なに…?」
「どちら様かしらー?クエストの申し込み?」

マスターの代わりであるミラさんが言う
マスターはなんか、愛人に会いに行くとかゴニョゴニョ…

「ううむ…
人を捜しているのですけれども
いないご様子でございますね…?」
「人捜しの依頼かしらー?」
「いや、ここにいると思われます
このギルドに居られると言う噂を耳に挟みました」
「誰をさがしてるの?」

私が聞く
フェアリーテイルのメンバーはいま
ほぼ全員がギルド内にいる
その中にいないって…
数が限られてくるから

「ユウと言います
私のお姉様でございます
彼女は、とても綺麗で美しいと感じます
貴方なんぞ足元にも及ばないと思われます」
「はあー!?」
「ユウ…?ユウ、なんていうのかしら」
「ユウ・カナリアルトと言うお名前でございます」

カナリアルト…?
可愛らしいファミリーネームね
ハートフィリアみたいに、ちゃらちゃらしてないし
というかこの子
喋り方、特徴的ねー…

「そんな人いないわ」
「おかしいと思われますね
虚言だったのでしょうかと予想されます」
「貴方の名前はなに?クエストとして張り出しましょうか」
「ああ、頼みます
コウと申します
コウ・カナリアルト」

コウという少女は、かなり可愛らしい
十三歳くらいの健康的な見た目
耳より下の二つ結びで
学校の制服のようなものを来てる
見た目に違わず真面目な子だなー…
中身と見た目がかみ合ってる

「また、来ますので
それまでに見つからなければクエストは取り下げて貰えますでしょうかと頼みます」
「了解したわ
いつぐらいに来るかしら?」
「一週間後に訪ねます
私も急いでますので」

では、と背中を向ける彼女
その背にはライフルが背負われていた
ひ、と思わずのどが鳴る
彼女の背丈ほどの銃は
どうして今まで見えなかったのかと思うほど
存在感があったから








「ユウ、ユウ、ユウー…ねえ
ユウさんじゃないよねえ」
「ユウは男の子よ
胸も無いし」
「裸見たんですかっ!」
「初めてあった時にね、ちょっとだけ
彼、ボロボロで来たから」
「え、え、え?ボロボロ?」
「ええ
上半身の服はほとんど服にはなってなかった
片足引きずってたし…
あ、血はそこまで出てなかったわ」
「どうして…」
「…わからない
わからないけど
…銃で、打たれたみたいな感じだった」

銃…?
銃…ライフル
ライフルは銃
あ、そういえば
ユウさんが抜けた直後に、コウちゃんは来た

「それって…」
「うん
あのライフル…もしかして、ってね
でも…ね
お姉様って言ってたし
ファミリーネームも違う
だから、違う人だって思う…
思いたい」
「…どうして、…そう思いたいんですか?」

かたん
ミラさんは私の前にあった
冷めてしまったコーヒーを片づけてしまう

「だって…
だってもし、そうだったら」

パキャァン
カップが割れて
コーヒーが零れ落ちる

「そうだったら、ユウは
あのこのせいで抜けたってことになるでしょ?
そうだったら…
そうだったりしたら、私はあのコを、
…あのコを許さない」

にっこりと笑って言うミラさん
ミラさん…
やっぱり、ユウさんには抜けてほしくなかったんですね
そうだ
皆そうなんだ
そうに決まってる
ユウさんを知った人なら
皆そう思いはず
ナツだって、グレイだってハッピーだって
みんな、みんなみんな思った、考えた
考えたんだろうけど
でも、ユウさんがやりたいことだったら
させたかったんだろうなあ
良いなあ、そういうの








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