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涙に濡れた通知表第二弾




「あ、起きた」

黒い瞳が覗く
額に乗せていたタオルが外されて
ユウさんがこちらを向く

「…君は…」
「ルーシィです!調子はどうですか?頭痛みません?」
「うん…平気だよ。
僕は何でこんな…寝てたの?」
「あー…はい、上からですね…なぜか仲間が降ってきまして」
「降ってきたのかい?」
「はい」
「そっか…なんでだろう」
「あ、それよりユウさんっ」

ユウさんはベッドに寝ている
ここはアルカナから一番近い港
バルゴのトンネルを通ってきた
近くの宿を借りて、ユウさんとグレイを寝かせていたの
その間にバルカンにされていた人達が解散して
急にアルカナの王様がやってきて
報酬を預けられたの

「はい、ユウさん!お疲れ様です!」
「……ああ、報酬
ありがと」

ふわ、と笑う彼
か、かっこいい…
しかも可愛い!

「一年分男子寮の家賃滞納してたから
やっと払えるよ」
「そ、そう言えば…そうですね」
「まあ僕は、もうギルドの人間じゃないから
ただの宿借りになっちゃうんだけど」
「!」

そうだった!
そうなんだ!
ユウさんは、ギルドを…
フェアリーテイルを抜けちゃったんだ!
その理由を聞くために、
ナツと私はここまで来たんだ!
(グレイとハッピーは除外)
き、きいていいかな!?
ナツいないけど!

「ユユユユユユユウさんっ」
「うん」

'きっとね…'

「あ、あのっ…」

'きっと、ユウにも'

「うん?」
「え、と…」

'ユウにもね、誰にも…'

「その…」

'誰にも知り得ないわけが…'

「な、なんで…」

'理由が、あったと…'

「どうして…」

'私は、思うのよ、ルーシィ'


どうして…なんだろう?
ミラさんが言った言葉が
浮かんでくる
ユウさんだけが解る理由
ユウさんが隠している訳
それを、私なんかが軽々しく聞いて
いいのかな?
ミラさんが止めるのをやめるほど
凄く深く、思い悩んでいたなら
私なんかが聞いて良い話じゃないわ…

「えっと…」
「なにかな、ルーシィちゃん?」
「あ、そんなちゃん付けなんて、やめてくださいよ
呼び捨てでお願いします」
「そう?
じゃあ、ルーシィ
どうかしたのかい?」
「え、あ、あ〜…
あー!そ、そそそう言えばぁっ
ユウさんに会う直前に、地面が陥没しちゃったんですよお!
すっごいですよねえ!」
「ああそれ僕」
「ですかー!」



……………



「えええー!?」
「いや、ごめんね…?
うん、わざとじゃなかったんだよ」
「そ、うじゃなくて!」

地面を陥没させちゃうって…
凄い魔法じゃない!
バルカンも一瞬で片づけちゃうし…
なんの魔法なの!?
土…地面系統かしら
うー…ん
情報が無さすぎるわね

「あ、もしかして」
「え?」

ユウさんがぽん、と手を叩く

「その…降ってきた仲間?だっけ
一緒に行動してたんだろう?」
「はい、グレイっていいます」
「地面を陥没させる一瞬前に
地面は勢いよく盛り上がったと思うんだ
それでグレイ君は飛ばされたのかも
…へへ
それじゃ僕の、自業自得かな」

へへって…
へへって!
可愛い!やばい!
きゅ〜んとしてる所へ、ナツ乱入
…なんなのよもー!
ゆっくりさせてよ!




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