. 「セト、」 少しだけ驚いたように、セトは目を見開いたけれど直ぐにニコリと笑ってくれた。 「どうしたの、髑髏ちゃん」 用事かな、と微笑むセトは本当に綺麗。 骸様も綺麗だけど、セトはもっと綺麗だとこの頃思うようになった。 「千種が、お風呂に入ってって」 「そっか。もうそんな時間なんだね」 チラリと時計を見て、そしてまた私を見た。 私は人の視線がそんなに好きではないから、ちょっと困る。でも、セトの目は心地良いと思ってしまって、矛盾してる自分に凄く驚いた最初を思い出したりも、する。 「髑髏ちゃんは?」 「…え、」 「もう入っちゃったかな…」 何となく(本当に何となくだけれど)セトが寂しそうに見えたから、私は(自分にしては)急いで首を振った。 「まだ…」 「じゃ、あの、一緒に……」 吃驚した。 お風呂? 一緒に? 私と? 「あっ、嫌なら良いの!お風呂って一人で入りたい人もいるし、私も一人で入れるから、あの」 「っ、違う!」 嫌な訳じゃない、嫌な訳が無い。一緒に、居てくれるなんて思わなかったから、だから、 一人で焦った私を、セトは吃驚して見ていた(ごめんね、ビックリさせるつもりじゃ、) 「あ……」 「………………」 焦ってしまって、もう何を言ったら良いのかも分からなくて、チラリとセトを見たら、やっぱり綺麗に微笑んでいて、(どうしてそんなに綺麗なの?) 「お、ふろ、」 「え?」 「……入り、たい…」 一緒に、と聞こえるか聞こえないか位の声で呟いてみた。気持ち悪いって、言わないかな、セトに嫌われるのは、凄く怖いから、 「セトが好き、だから、一緒に、入りたい。セトだから、一緒に居たい、」 「髑髏、ちゃ…?」 セトはとても綺麗。骸様も言っていたし、会った瞬間に一目で分かった。こんなに綺麗なものに、私が近づいたりして良いのか分からなくて、ずっと目を合わせられなかったけれど、この時初めてセトの目を見て話した。 「私も、髑髏ちゃんのこと、好きだよ」 違うの、セト 愛してるの 好きなんかじゃ足りないくらい大好きなの 生きてて良かったって、こんな身体でも貴女に会えただけで意味があったって、そう思えたの 触れてくれたセトが愛しいと思ったから 「何だかズレちゃったけど、…一緒に、入ろう?」 お風呂、とまた笑ったセトの手を、私は少しだけ強く握った(セトの手、小さい)笑うセトはとても綺麗。とても可愛い。凄く愛しい。 「セト、セト」 「ん?」 セトの名前も、とても好き。呼ぶだけで私も幸せになれそうだもの。 「お風呂、入ったら、」 一緒に寝ても良い……? そう聞いたら、とても嬉しそうに笑ってくれたセトへの愛しさがまた募った。 (クローム、僕と代わりなさい) (いやです) 骸様が入れ替わりたそうにしていたけれど、きっぱりと断ってしまった。 (セトは肌も綺麗だった) E. |