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愛のかたまり(小説)
『愛の才能』@(テロ)悠紀様との合作!


どんなに好き合って、想い合っていたとしても…

時に神様はイヂワルで…

思いがけない落とし穴が突然目の前に現れる−−−

『愛の才能』

宮城庸。
バツイチ独身35歳。
職業、大学教授。
現在、恋人アリ。

最近、繰り返し陥っているジレンマがある。

原因は言わずもがな恋人の高槻忍。

名前だけを見れば、女性であってもおかしくはないこの名前なのだが、実は…男だ。

この超恋愛特攻体質の17も年下のガキにどうやら俺は骨抜きになっているらしい…。




はぁ…。

最近、幸か不幸か…この事実を、ある程度受け止められるようになってきた。
この事態を、『あまりにも痛過ぎる』と、最後の理性が冷静に自分を押し留めようとするのだが、『このテロリストが愛しくて仕方ない』という思いが、確実に心を占め始めている。

現に、会えば何度となく理性を崩された。

もう、こんな感情を抱くことは二度とないだろうと思っていたはずなのに、胸を焦がす想いというものを、再び俺は知ってしまった…。

だが、しかしっ!!
大学の教壇に立ち、講義を行い、研究室に篭れば、イヤでも自分の社会的立場を理解する訳で…。

その上、忍は……アレ(年の差17歳)もコレ(上司の息子)もソレ(元嫁の弟)もドレ(未成年)も障害だらけのヤツで…

そんな、有り得ないづくしな忍を確実に俺は溺愛し始めている訳で……………。

悶々としている思考がピークを迎えれば、



だああぁぁぁーーっっっ!!!!



いかんっ!!
いかんっ!!いかんぞっ!!!俺っっ!!!!



雑念を振り払うかのように、宮城は心の叫びを上げた。

またこの思考に陥ってしまっている…。
あ゛あ゛〜、このままではいずれ精神バランスを崩してしまいそうだ…。

落ち着け〜俺、落ち着け…。

片手を額に当てながら研究室のドアを開けば、中にはちょうど上條がいて、



「かみじょおぉぉぉ〜(泣)俺の抱き枕ぁ〜!頼むっ!俺を癒せ〜〜〜っっ!!!(必死)」

「…ちょっ…教授、やめっっ!!!!(焦)」


ガクッ。


いつものように抱き付いたあと、恒例の罵声と共に軽くあしらわれるかと思えば、ヘタリと上條は座り込んでしまった…。

「…ぉ…オイッ!!上條、大丈夫かっ!?」

「…ァ、ハイ。大丈夫です///…すみません。…ッ。」

「すまんな…。悪ふざけが過ぎたようだ。お前、どこか痛むのか?」

「…いえ。気にしないで下サイ…。本当に…、大丈夫ですから…///」

起き上がる上條を支えてやりながら、顔をそむけ赤くホホ染める様子に?が浮かぶ。

いつもの悪ふざけがたたったか…?

軽く腰を押さえながら起き上がる上條に、

「…はは〜ん。さては、例の恋人にヤられたんじゃないだろ〜なお前??(ニヤッ)相変わらず愛されてるなぁ〜。」

クシャッと髪をなでながら、からかい口調で声をかければ、



ぶわあぁぁぁ!!!/////


途端に上條がユデ蛸のように赤くなった。

「…へ?」
(ヤバイ、地雷を踏んだか…?)

「…、ぉ、おい。冗談だ…いつものように軽く流せっ!上條っ!!」

「…そっ。そ〜ですよねっっ!!!///…分かってますっ分かってますっ、冗談ですよねっ!!!!////(焦)」

「…ッイヤ、これはちょっと捻ったと言うか、変に寝違えただけですからっ!!///…とっ…とにかく、気にしないで下さいっ!!!」

「…ってか、相変わらずのそのちゃめっ気、どうにかして下さいよ〜、教授!!!……ハハハ///」

ばんばんと宮城の肩を叩きながら、上條はその一言をかわそうと必死だ。


「…っだ、だよなぁっ!!上條っっ!!!…スマンスマンッ。俺も変なことを言って悪かったな…はは…(他に理由は見つからなかったのか…上條・苦笑)」

腰を寝違えるという理由では少々無理がある上に、暗にソレを示唆しているようなもので…

「…そっ!それじゃあ、俺は次の講義がありますんで…し、失礼しますっっ!!///」

バサバサと講義の資料を寄せ集めて、慌てて研究室を出て行こうとする上條に、

「お〜。しっかり熱弁奮ってこいよ〜!」

この空気に堪えられずいつもの平静を装って、ぴらぴらと手を振り送り出そうとしたその時、

研究室を出ていこうとする上條はふと足を止め…



「…あ、あの///。…俺が口を出すことではないかもしれませんが…。他にこんなことを言える人もいないと思うので…。」

一瞬の間。
だが、決意したように上條は口を開き、

「…何とゆ〜か、男としてこの状態に陥るのは…、結構辛いものがありますんで…、教授も気をつけてあげた方がイイッスよ………(カアァァァ)//////」



ちゅっどーーんっっ!!!!!!



どうやら、宮城は『捨て台詞』という名の地雷を見事踏み当ててしまったようだ。

普段、人とのコミュニケーションにおいて、他人との距離を測ることに長けているハズの宮城だったが、今回はかなり目算を誤ってしまっていた。

頭が真っ白になる…。
という言葉を今まさに体感している宮城。

思考が停止する。

だが、そんな宮城の心に残ったものは、理性的で在ろうとする心と、恋愛という甘い鎖に翻弄される心、の二つ。

理性と忍への愛情は同じ所に在って…。

相反する感情に曝されながらも、日頃の自分の行動を省みれば、自分の本質が忍に負けず劣らず恋愛暴走傾向にあることを自覚している訳で…。

それ故に、ジレンマという終わりのない落とし穴に宮城は堕ちていくのであった。



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