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ハッピーハッピーバースデイ!!(銀土)



朝から鳴ったチャイムに眠りから引きずり出された。
あまりいい寝起き、とは言えない。


「神楽ー、出ろー。」


布団から顔を出し、声を出して気がついた。
アイツと定春は昨日から新八の家に泊まっていて、必然的にこの客は俺が出迎えなきゃならないってこと。


「あーあーあー、勘弁してくれよー。」


名残惜しい布団の温かさと別れを告げ、何度も鳴るチャイムに若干苛々しながら早足に玄関に向かった。


「はいはいどちらさ…ま…」


乱暴に扉を開けば、ふわり飛び込んできた匂いと、自分と同じ高さにある切れ長の目に、体の動きが止まった。



「遅ェと思ったら、寝てたのかよ。」


呆れた様に笑う最愛の恋人に、寝起きの頭の中はこれでもかって位引っ掻き回されて。



「え、と。」


今日はデートの予約もしてない、し。
つか、確か仕事じゃなかったか?
あれ?これ俺の夢?



「何ボーっとしてんだ。」

「え、あー、何、ドッキリ?」

「馬鹿じゃねェの?」


未だ混乱する俺を放っておいて、土方は当たり前の様に家の中に入って行ってしまった。


「…夢じゃねェの?」


ぐに、と自分で頬を抓ったが、確かに痛みを感じた。





部屋に入れば、ソファにくつろぐ土方が目に入る。
目の前の男の意図が全く掴めず、思わず溜息が出た。


「あー、とりあえず着替えてくるわ。」


寝巻きのままというのは、何処か気が引けて、自室へと足を進めた。
丁度ソファの後ろを通り抜けようとした時、腕を何かに掴まれて、思わず立ち止まった。
手首には、細く色白い指が絡まっていて、それを辿れば、此方をジッと見る土方。


「いい。」

「や…でもよ…」

「こっち来いよ。」



有無を言わさず、腕を引く土方に、何が何だか分からなくなって来た。
つーか、こいつ本当に土方か?
いやいや、こんな美人そうそういないしな。
いや、でも、



「銀時。」

「・・・。」



本当に、本当に、今日の土方はどれだけ俺の心を引っ掻き回してくれれば気が済むんだろうか。
あー、こいつ熱でもあるんだな、だからおかしいんだな。
隣に座り、コツリと音を立てて額を合わせる。



「…あれ?」


ところが、額は特に熱いワケでもない。
いたって普通だし、本当に熱はなさそうだ。
本当に、どうし、


って、


あ、れ?


「…あの、土方くん?」

「何だよ。」

「あの、いや、今、」

「何顔赤くしてんだ?いつもテメェからするだろうが。」


喉で笑いを噛み殺しながら、肩を震わせる土方。
俺は呆然としながら、それを目に映しているだけだった。

だって、あの土方が、



「ちょ、ほんとどうしたんだよお前!今日変だろ!?」

「別に…」


ふ、と笑い、耳に顔を寄せてきた土方に、体は身動きを止めて、次に襲った声と、再び頬に寄せられた柔らかな感触に、全てが吹っ飛んだ。






ハッピーハッピーバースデイ!!
(恋人の誕生日祝わねェ馬鹿が何処にいるんだよ。)
(い、いただきまーす!!)




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あきゅろす。
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