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Dear A

▼ てめぇが謝れこの野郎




「あー、喉渇いた…っと。コンビニ発見!!」


喉がからっからだったとある少女は、コンビニを見つけるとニカッと笑い入口まで軽く走った。しかし―――


「きゃーっ!」


入口に着いて自動ドアが開いた瞬間に聞こえてきた女性特有の甲高い声。そして、それとほぼ同時に聞こえてきた男の声。



「うぉらぁ!怪我したくなきゃどけぇ!!はったおすぞぉ!!」



黒くて大きなかばんを片手に抱え込み尋常じゃないスピードで出入り口へと向かって来るその男。



「能力者?」



少女は彼の恐ろしい程の瞬足を見て、そう判断する。そして、彼が放った言葉は出入り口を塞いでる自分にかけられた言葉だと悟る。次の瞬間少女は、足を90度の高さまであげ――



「かっ、…はっ!?」



物凄いスピードで向かってきた男を、足で止めた。足をまっすぐ90度上げて、足を腹に突き刺したのだ。男は、何が起こったのか分からないらしく、黒いバッグを落として口を開けていた。



「ちょっとあんた。」

「はい?」

「私にタックルとは、いい度胸じゃねーかぁぁぁ!!!!」



少女は一瞬にして、男を蹴飛ばす。そうすればなんと、男は地面と垂直に真っ直ぐと飛んでいったではないか。コンビニの棚を突き抜け、どこまでも飛んで行く男。少女はただ満足そうに見ていた。



「ホームランっ!なんちって。」

「おい、てめェ。」



小さくガッツポーズをとった少女に、また降り懸かる不幸と言わんばかりの口の悪い少年が話かける。



「何?」



真っ白な髪の人相の悪いその少年は、明らかにこめかみに青筋を立てている。それに気付いた少女は、少しだけ引き攣った表情をした。



「てめェのせいで、俺が買うはずだった缶コーヒーがどっかに飛んでっちまっただろォがよォ!!」

「あぁ、ごめん。でも缶コーヒーなら違うコンビニでも売ってるじゃん。だから許して!仕方なかったし!ね!」



それだけかよっ!と内心突っ込みを入れながら少女はへられらと謝る。しかし、



「舐めた真似しやがって!てめェ俺を誰だと思ってやがンだ!!」

「!?」



次の瞬間、キレて叫ぶ少年が足をトン、と地面に置いたと思ったら地面が次々に浮いて来る。少女は目を真ん丸にしてその光景を見た。



「(コイツも能力者…!)ちょ!タンマ!!」

「っるせェ!!」

「お客様!」



あと少しで浮いた地面が少女に襲い掛かるという時に聞こえてきた声。少女と少年はその声の方に目を向ける。





「店内が、めちゃくちゃなのですが…」








♂♀








「ちょっと!アンタのせいよ!」

「てめェが店内破壊したンだろうが!」



2人は、走りながら言い合う。何故走ってるのかと言うと、早い話、店長らしき人に『弁償しろー!』と怒られたのだ。やべっと思った2人は一目散に走り逃げた次第だ。

キーキーと言い合いながら逃げる2人。


「私は店を強盗から守ったのよ!?アンタだって店内にいたんだから強盗くらい殴りなさいよ!!」

「なんで俺が強盗なんざ止めなきャいけねェんだ!俺は缶コーヒー買いに来ただけだっつってンだろォが!」

「うっせー弱虫!モヤシ!」

「てめェ!!殺す!!」




この後もしばらく店長に追いかけられながら言い合う2人。

これが、少女の人生を大きく変える出来事だとは少女はまだ知るよしもなく。







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あきゅろす。
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