駄文 VOICE (金スマ+白ユリ) 君の声を、聴きたいと思う。 「…こっち」 君の声を、知りたいと思う。 「……?」 +〜+〜+〜+〜+〜+〜+〜+ 何も見えない世界で、 何も聴こえない世界で、 優しく私の手を引く温かい温もり。 何処へ連れていかれているのか判らない。 そこが安全な場所なのかすら判らなくて怖いはずなのに、全くそう感じないのはきっと彼のお陰。 耳が聴こえず、目も見えない私が転んだりしてしまわないように、ゆっくりと進んでくれる彼。 きっと、面倒臭いだろうに。 けれど、私の手を握る、骨張った手からはそんな雰囲気など微塵も感じられない。 寧ろ、優しさばかりが伝わってきて、なんだか擽ったい。 (…幸福せ) 彼と一緒なら、何処へでも行きたい。 彼と一緒なら、私はすごく幸福せ。 (ありがとう) 私はそっと微笑み、 彼の手を握る掌に、ほんの少しだけ力を込めた。 +〜+〜+〜+〜+〜+〜+〜+ 君が転んでしまわないように。 君が怖がってしまわないように。 それだけを考えて、白く小さな手を引いて歩く。 初めて出逢った時は、ただのそんなことすら難しかった。 目は見えず、耳も聴こえない。 そんな恐ろしい世界の中にいる君は、以前はオレがその手に触れるだけでも体を強張らせていたから。 それでも少しずつ、ほんの少しずつだけれど、 君の傍を離れず、必死にコミュニケーションを図ろうとするうちに、君は徐々に警戒心を解き、オレはコミュニケーションの術を身につけていって。 今では、拙いながらも互いに理解し合えてきていた。 と、オレは思っているんだけど、どうだろう? 「………ん…?」 ふと、握る手に力を込められ振り返ると、彼はふわりと微笑んでいた。 普通なら、何処へ連れていかれるのか不安で仕方ないはずなのに。 信頼されているという感覚は、歯痒く、嬉しかった。 「さて、と……着いたよ」 視線の先に、目的地が見える。 そこには数えきれないほどの真っ赤な野薔薇が溢れんばかりに咲き乱れていて。 「………っ、」 不意に、君の手が、オレの手を引く。 それにつられ振り返れば、君は頬を微かに赤らめ、興奮したように軽く手を引っ張り続けている。 きっと、視覚と聴覚のない代わりに彼の嗅覚は敏感になっているから、それで感じ取ったのだろう。 この、甘い薔薇の芳香を。 オレは最近身につけた、でもまだたどたどしいコミュニケーション方法で、『ばら』『プレゼント』とだけ、点字の印刷されている本で示してやる。 そうすれば、君は少しだけ泣きそうな顔で、だけど子供みたいに可愛く破顔した。 あぁ、いつか君がどんな声で笑うのか知りたい。 (あぁ、いつか彼がどんな声で話すのか知りたい) 君の声を聴きたい。 (彼の声を聴きたい) 君の声を知りたい。 (彼の声を、彼の姿を知りたい) いつか、どうか必ず、 この声が届きますように。 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ 曖昧な設定で書き殴った!← 金スマと白ユリで、色はなんとなく決まったんですが、金スマの方が設定がまだなんとも…orz たぶん、遊び人←← 白ユリの方もまだなんとも言えない設定ですが、ノーマルのスマユリとはあんま関係性がないかも…;;というか思い付かn/殴www 名前も、白の方はなんとなく決まってて、だけど金の方は全くです。 もしかしたらもう出てこないかもしれませんが(笑)、次に出せた時は今回よりも設定をちゃんと決められてたらいいな…! 10,07,31 [*前へ][次へ#] |