[携帯モード] [URL送信]

駄文
parole (スマユリ)


「愛してる」




 囁く言葉はなんて簡単で、中身のない言葉なんだろうか。



 たったの5文字。

 それが含むものは、相手を愛しく想う心と、相手を縛り付け独占したい我が儘と、
 偽善を貼付けたような醜さ。


 囁けば誰もが堕ちる?

 そんな馬鹿な。

 下らない。


 そんな言葉は、少しでも靡いている心がなければ何の意味も成さない。


 ただ、擦り抜けていくだけさ。




「ユーリ…」




 熱く、名前を呼ぶ声も、




「…愛してる」




 壊さぬように触れるその肌も。




(……気持ちが、悪い…)




 口先ではどうとでも言えるだろう?


 優しい嘘も、痛い真実も。

 本当の気持ちなぞ、誰にも知れないし、
 知る由もない。


 その言葉を耳元で囁く度に、その心では何を考えている?
 嗤っているのだろう?
 蔑んでいるのだろう?

 愉しんで、いるのだろう?



 所詮は、その疑問の答えすら見出だせない。



 真実など……見えはしない。




「……ユーリ…」




 そう、だから言葉なんて必要ないと思った。


 言葉を伝えることも、

 相手の言葉を聴くことも、

 必要などない。


 それが嘘だと判らないのなら、知らないままがいいと思った。
 真実なんて、知らなくていいと思った。

 言葉は、痛いから。

 発してしまえば、なかったことになどできないから。


 だから、言わない。
 伝えない。

 だから、言うな。
 伝えなくていい。

 聴きたくなど、ないから。



 だけれど…、




「…どうして…泣くの?」




 何故、涙が止まらないのだろう…。




「……ユーリ…」




 彼の声は、




「……泣かないで?…君が泣くと、ぼくが痛い…苦しいよ」




 彼の言葉は、




「ユーリ」




 聴きたくないものばかり。



 私に囁く優しい声も、

 私を愛おしく包む言葉も、




(……総て、嘘…)




(彼の得意な、嘘…)




 だのに、




(もっと聴かせて欲しい…だなんて…………)






「―――…だいきらいだ…!」






 嘘。






「……お前なんて…、大嫌いだ…っっ!」






 嘘。






「見たくない、聴きたくない、触るな、嫌だ……大嫌いだ!」






 言ってはならない言葉。

 消せない嘘。



 それはナイフと成り、優しい彼を深く傷付ける…。

 消えない傷痕を刻み付ける。



 だけど、顔を寄せた彼は優しく微笑んで。






「……ありがとう、ユーリ。

 大好き………愛しているよ」






 だなんて、囁く。









 あぁ……、

 ならば、どうか、お願い。


 早くこの口を塞いで。










+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+





やっと書けた、『愛してるとか、そういった言葉を信じないユーリ』の話。

悲恋ばっかり書いてるけど、やっぱりほのぼのとか甘々も好きだから『好き』とか『愛してる』ってよく言わせたりしてるけど、
でもやっぱりこの設定をずっと形にしたかったんだ!

言葉に出した方がストレートに伝わって、話の内容が理解できるよな……と思ってよくキャラに言わせつつ、
うちのユーリには『好き』とか言わせたくなかったし、聴くのも嫌だって言わせたかったんです。
なんか……捻くれてるユーリが好きなんで((笑笑!←

ほら、ツンデレだから←←関係ナイ?www


うん、スッキリしたー!


因みに、スマの場合は口に出したいし、そういうのを聴きたいタイプ。
透明人間で、いつ自分が消えてしまうか判らない曖昧な存在だから、後悔しない為にいつでもストレートに行動したり言ったり。
まぁ、こっちもこっちで捻くれてる(病んでる?www)から黒い性格で、駆け引きみたいなことしますが、
それもまぁ、楽しみたいからですね←←


そんなスマユリが理想。
悲恋……というか、ほのぼのとか甘々意外だとね。

うん、1番はエ口変態腹黒お兄さんとツンデレバイオレンス女王様(時々漢前)ですがwww
肩書き長いwwww(^q^)



因みに、『parole』はフランス語で『言葉』とかそういった意味です。
アバウトやなwww←←




10,06,13




[*前へ][次へ#]

42/49ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!