桜並木の下で
2-4
「ただいまー」
「あぁ、おかえり。シオン」
玄関に入ったと同時に出迎えてくれたのは、いつも落ち着いてて大人のカッコよさがある黒髪のオーギュストだった。
オレとユーリ、ルリの通ってるエスカレーター式の学校の大学で数学講師をしてる彼は、ここで毎日オレたちの家政夫みたいなことをしてくれてる。
……まぁ、いわば(母親と一緒に海外出張に行ってる)親父変わりかな。
(ほんとは兄貴……アル兄の恋人で執事だけどな)
「腹減ったー」
「もう用意してあるぞ。皆も待っていたんだからな?」
そう言って赤い隻眼を穏やかに細めた彼。
…………あ?
なんか、誰かに似てるな…。
そう思いながら見詰めていると、オーギュストは不思議そうに首を傾げた。
そうしていると、その向こうの扉が開き、そこからユーリが顔を出した。
「おかえり」
「……ただいま」
優しく微笑んで、ユーリがこちらへ歩いてくる。
いつもは素直に嬉しいのに、今は微妙な感じ。
だって、ユーリはスマイルとかって奴と昨日から付き合いだした。
しかもそいつはオレとの約束を破りやがった。
(まぁ、オレの一方的な約束だけど…)
そう思いながら、ユーリから顔を逸らしていると、不意にオレの後ろの玄関が開いた。
「ただいまー」
「あ。アリア、お帰り」
シャトルーズグリーンの髪を揺らしながら帰ってきたのはアリア。
彼女はユーリの顔を見た途端、何故かニヤリと笑った。
「ユーリ、今日の帰りに例の彼と仲良く歩いてたでしょ?」
「へっ?」
「なっ……?!」
「?」
ユーリが虚を突かれた声を出した。
てことはあいつ、オレの用事よりユーリを取りやがったのか?!(まぁ、当たり前だろうけど……!)
……………そうじゃなくて、あいつ…ユーリと出掛けやがったのか?!!
アリアは微かに顔を紅くさせたユーリをからかい、オレが拳を固く握り締めていると、話についていけてないらしいオーギュストが首を傾げた。
「ユーリ、誰かと付き合ってるのか?」
「そーなのよ!聴いてよオーギュスト!
この前転入してきた碧い髪の………えと……なんて言ったっけ?」
「…………スマイル」
「そう!スマイルって彼に転入してきて早々コクられて、ユーリったらオッケーしたらしいのよ☆」
別に言わなくても……と、ユーリが焦り、
オレはスマイルとのことを思い出し苛立っていると突然リビングの方から物凄い音がした。
なんか……誰かがド派手に転んだような………。
4人揃って物音のした方を見ると、ゆっくりとリビングの扉が開く。
そしてそこから顔を押さえた赤髪の、オレたちの兄貴である長男のアルセストが出てきて……。
「ぁ……アル………?」
オーギュストが恐る恐る名を呼ぶと、兄貴はこっちを見詰めた。
「……ユーリが…………何処の馬の骨ともわからない奴と…………!」
そう言って、その場に崩れ落ちた兄貴。
オレたちはなんて声をかけたらいいのかわからず、暫くの間黙り込んでしまった………。
こちらもやっと出せた黒スマ&赤ユリ!
大人な黒スマは、金ユリの憧れだとイイよ.++(口に出さないけど)
あぁ………ノリで赤ユリとか出したはいいけど、
これでまた話が進まなくなるの間違いなしだね★←
でも、ここで出さなかったらもう当分出なそうだったんで………ネ!((逃走。
そのうち(?)、スマと紫スマを絡ませたい←
緑と水色も。。。
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