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7


今まで、誰かに興味を持つ事なんて無かったからそれ自体が珍しい事なんだ。

だから、それが自分でも珍しいからついつい気にしてしまうだけなんだ。


それだけ。

絶対それ以外には何も無い。



絶対に。











簡単な任務も終わり、さて昼食はどうしようかと考えながら受付所に入ってみれば、賑やかな人ごみの中からまたあの男の声が聞こえた。
ふと他の忍び達の間から覗けば、受付の机にあの先生が座っていて前に並んでいる忍びに微笑みながら書類を受け取っていた。



どうやら、彼はアカデミーだけではなく受付も受け持っているらしい。




……なる程、だからあの夜も。



そこで、またあの時の事を思い出して少し気分が悪くなった。




……そうだよ、だったら、やっぱりあの時の男はこいつって事になるじゃないか。

何だよ。
初めましてってのはさ〜。

……待てよ?もしかして、あの先生は双子とか?





「………い、カカシ先生?」


自分の名前を呼ばれ、ハッと前を向く。
つらつら考えている間に、前にいた忍びはいつの間にか受理が終わっていたらしく、机に座っている彼は動かない自分を困った表情で見ていた。

内心焦ってはいるものの、それを絶対見せまいとゆっくりと机に向かって彼に報告書を渡す。


「ハイ、任務ご苦労様でした!お預かりします!」


ニコリと微笑み、俺から受け取る。



………そう、この笑顔だよ。



何となく、視線が外せなくて下を向き報告書を見始めた先生の後頭部を凝視した。
一括りにされた髪がフワフワとまるで犬のシッポの様に踊っている。

それを見ていると、あの夜の事を思い出す。
表情がコロコロ変わってまるで犬みたいだった。



………聞いてみようかな…


少し前まで、何となく煩わしいと思っていた筈なのにそれでも気になってしまう。

でも、どうきっかけを切り出せば良いのかわからず考えている内に確認は終わってしまったらしく、横の受理箱にしまわれていた。


「はい、不備はありません。お疲れ様でした、カカシ先生!」



「…………はぁ」


終わっちゃった。



後ろには待っている忍びもいるし、ここで立っていても邪魔なだけだ。

結局、何も出来ないまま振り返りそのまま受付所を出ようとした。
自分が抜けると、早くしろとばかりに後ろの奴が前に来てこの先生に報告書を出した。

同じ上忍なのだから、自分の事を知らない訳は無いだろうにあからさまな態度に少しムカッとなるがくだらない事で体力を消耗したくなかったので知らない振り
をして受付所を後にした。





……体力の消耗……。


そうだよ。
あの男と関わる事だって体力の消耗じゃないか。
それなのに、自分の可笑しな行動は一体何なのか?



そもそもこんな事を自分が考えている事自体可笑しいのに。




建物から出て、愛読書をポケットから出そうとしてはたと動いている手が止まった。






「…………あれ?」




………今、あの男……





………………








「……ッ……アッ!?」




振り返る音が鳴る程、凄い速さで今出て来た受付所のある部屋の窓を見上げた。







「……さっき、あの人"カカシ先生"て、言ったよね?」






こんな自分はあり得ないという程、心臓が早く鳴っている。
たかだか、名前で呼ばれただけなのに、何故にもこんなに焦ってしまうのか?

何何だ?
この苛つきとも言える様な気持ちは?



自問自答してもわからず、唖然と窓を見上げるしかなかった。








※久しぶりに書いたひねくれカカシ。うん。何かこっちの方がスッキリする。自分が根性腐っておりますからな。でも、まだまだ気づかないカカシ。さて、イルカサイドはどうしようかな?


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