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07






向かった居酒屋は、里一番のエリート忍者とはまるで縁の無さそうな汚い…いや年季の入ったとても小さな店だった。
横にいる人物をチラリと視線を向けるとやはり上忍で気配に気が付いた様でこちらを向きニコッと唯一見えている右目を細めた。



その目が優しくて思わずドキッと心臓が跳ねた様に感じて急いで顔を背けた。



いやいや。
惑わされるな!
彼は半分ストーカー紛いな事をしていたんだぞっ!

跳ねる心臓を押さえつけるかの様に、胸をグッと掴む。




しかし、どうやらこの店は色んな国の酒を置いてあるらしく自分が任務で行った事が無い国の酒もあり、驚きと興味が先立ってしまった。
彼はここの常連なのか、店に入った途端に中の店主が慣れた手つきでテーブルに案内した。
カウンターの隅が彼の特等席なのか、前からサッとおしぼりが置かれこれもまた慣れた手つきで一つを俺に渡す。



「………ありがとうございます…」


「……い、いえいえ…」


俺の言葉に照れた様にはにかみ、頭の後ろを掻いた。
まじまじとその姿を見てしまう。



……本当に、今まで付ける様に近くをウロウロしていたのは彼なんだろうか?
この姿からはとてもあんな事をしていたとは思えなかった。



……でも、前に彼はハッキリと俺に付けていたと言ったのだ。



……ああ、本当にどうしよう……。




「……イルカ先生?」


「…ぅえっ?は、はいっ!?なんでしょうか!?」



一人悶々と考えていた為に、声をかけられ驚いて声が裏返ってしまった。
急いでカカシ上忍の顔を見ると、何となく寂しそうな眼差しとぶつかった。



「……あ、あの?カカシ上忍?」


「……ううん。何でもないです……あ、それより上忍は止めてくださいよ〜…なぁんか、堅苦しいデショ?」

「…い…いや、しかし……」


堅苦しいと言われても、上忍なのは確かな訳で、違う呼び方というのも失礼な感じがした。
視線を少し漂わせ、思案したあとおずおずと言葉を吐く。


「……じゃあ…、カ…カカシ先生…?」


普段ナルト達が言っている呼び方で呼ぶと、目尻にシワが出る程ニッコリと微笑んだ。



「………!?」




胸の奥でドクンと小さく跳ねた様な気がした。

急いで違うと否定した。

何が違うのかはわからない。
でも否定しておきたかった。



「うん。いいね。それでお願い…ね?」


「……は、はい」




それからは、カカシ先生は子供達の任務の事やそこでおきたハプニング等を話してくれて、成長した反面昔と変わらない子供達を思い出し胸の中が暖かくなっ
た。
カカシ先生は、子供を受け持つのは初めての様で時々どう扱って良いかわからず、戸惑ってしまうと言った。
里が誇る忍者が戸惑うだなんて、ある意味あいつ等の方が凄いのではと思ってしまう。


「ほーんと、子供って凄いね〜…自分もあんな小さい時はありましたけど冷めてるって言われてましたから…まぁ、あういうのが本来の子供らしさなのかもしれ
ないけどさぁ…」



「…まぁ、本当ですよね…それが楽しくて教えてるってのもありますが…」


「…まぁねえ〜…それもわかりますが…イルカ先生は、きっと天性の教師なんですよー…、はァ〜、頑張りますー…」


口を尖らせ呟く姿はアカデミー内で生徒がよくしている姿で、そういうあなたも…とは、流石に言えず口から漏れそうになる笑いを必死に抑えた。





よくよく話してみると、彼は気さくでよく話す人だとわかった。

無口で冷静、他人に興味が無いと聞いた事があったがそのイメージが崩れる程だ。




酒も少し入っているからかもしれないが、身振り手振りで色々語る横にいる人物を眺めているうちに、ついこの間までストーカー紛いな事をされていたのをつい
忘れそうになっていた。









※それでも、まだまだ警戒中のイルカ先生?…て、今日のジャンプでいよいよカカシ生徒の安否が曇りマークから雨マークに近付きつつあるんですけど〜(>_<)
やーめーてー!連れていかないでー!イルカ先生だけ残っても少しも嬉しくないよっ!!
消耗が激しい写輪眼を取って、せめて命だけはっ!!……て、このコメント去年から言ってるなぁー(泣)



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