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ひとかけら。
[01]






「………ハァ〜……何か未練がましい男だなぁ……俺って……」





一週間前から止まないため息に少しでも現実から逃げようと、空を見上げた。

雲一つ無い茜空とはこう言うのか、あぁ、今日は星がよく見えるだろうなぁ、イルカ先生と星見酒でもしたら気持ちが良いだろうなと愛しい人を思い浮かべば憂鬱な気分も微かに薄らいだ様な気がする。


……でも。


…そうなんだよねぇ……今からその愛しい人の所に行くんだーよね。


それだけなら、絶対憂鬱になどならないのだが……






一週間前の朝、依頼書を取りに受付所に向かう途中、偶然かはたまた運命か、可愛くて、愛しくて仕様が無い想い人を見つけウキウキと近付いた。

「あ、イルカせんせ」

俺の声に気付いた、イルカ先生は癖なのだろう小首を傾げ、優しい微笑みで俺の方を向いた。

「あっ、カカシ先生!おはようございます」

「珍しいですねぇ、朝からイルカ先生が受付所にいるなんて」

だいたいこの時間なら、いつもアカデミーにいる筈なのにと不思議に思っていると、

「……ハハッ、昨日アカデミーで使う教材をここに忘れてしまって」

恥ずかしいと照れながらこれも癖で鼻の上にある傷を指で掻く姿も可愛くて、抱きしめたい衝動を必死に抑えた。
イルカ先生はハッと何かを思い出したのか一歩前に進んで近付いて来た。

「あっ…そうだ!あのっ、カカシ先生!」

いきなりな至近距離にドキリとなる。

「な、何でーすか?」

「そういえば、もう少しでカカシ先生の誕生日だって、ナルトから聞いたんですが……」

「えっ?……ええ、まあ……」

内心、自分の誕生日を知っていたなんて飛び上がりたい程に嬉しかった。
イルカ先生が好きだと叫びたかった。
だけど、これは片思いだ。
伝える事さえ出来ない悲しい俺だけの想い。



……何故なら、彼には好きな人がいるらしい。



それを知った時は、ショックで暫く動く事さえ出来なかった。











※カカイル小説も久しぶりです。いきなりカカシ片思いから。…て、本誌でイルカ先生をカカシが助けているっていうのにこっちでは片思い?
てか、本誌万歳!岸本先生ありがとうございます!
暫くまだまだカカイルで萌えられます!



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あきゅろす。
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