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06




今日は受付の仕事は入っていなかった。

ある意味助かった。

だって、さっきの今だ。
カカシ上忍に会わす顔が・・・いや、顔が会わせられない。
カカシ上忍が受付に来るかどうかはわからないが、もし来た時は俺は受付の椅子に座っている訳で、確実に逃げれない。
それに、謝るとしてもあの場所ではきちんと出来ないだろう。むしろ、何だどうしたと周りに見られ余計変な噂なんかが広まってしまう。

「・・・本当に参ったなぁ・・・」


・・・ガリガリと頭を掻きながら、今日何回目かのため息を吐き夕飯を作る気にもなれず惣菜屋の扉を潜った。


「・・・・・・あ。」

「・・・・・・ア゙」


なんて事だよ・・・。


今一番会いたくないと思っていた人物が目の前にいる。

丁度彼は会計が終わったらしく、買い物袋をぶら下げまさに出ようとしていたのだった。



「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


お互いなんとなく気まずい雰囲気になり、何を発していいのかわからず俯いてしまう。


・・・カカシ上忍は今出て行こうとしてたんだよなぁ・・・

彼の持っている袋を見つめ、ソーッと体を横にずらした。
その動きにフとカカシ上忍も顔を上げた。


「・・・あー・・・今から買い物ですか?」

「・・・へっ?は、はい・・・カカシ上忍もですか?」

すると、少し困った様に微かに唯一見えている右目の眉が下がった。

「・・・あの、カカシで良いですから・・・何か、ほら、子供たちでお互い知り合ってる訳ですから・・・」


・・・そんな事を言われても・・・

彼は上忍で自分は中忍だ。気軽に名前を呼ぶだなんて。

此方を見ず、視線を落としたまま、しどろもどろに話すカカシ上忍の顔をチラリと見ると、目が何処を定めて良いのかキョロキョロとさ迷っている。

・・・そうだよなぁ。俺だけ気まずいって訳でもないんだよなぁ・・・

まず、カカシ上忍は何を血迷ったのか、俺に告白して来たのだから。


・・・・・・ハッ!!

・・・そうだ、返事・・・してない・・・


この場合、一番気まずいのはもしかしたら俺なんじゃないのか?
だって、カカシ上忍は(まぁ、周りから見たらきっとおかしいだろうけど)告白をして、返事待ちの状態。
その返事をしなくてはいけないのは・・・俺だ。


「・・・・・・あ、・・・」


ヤバイ。

まだ考えてない・・・


ササッと後ろに退いた俺の足にカカシ上忍が視線を移した。
そして、パッと顔を上げ俺を見ると、ニコリと笑った。


「イルカ先生、ご飯まだでしょ?」

「・・・え?・・・あ、はい・・・」

「どっか、食いに行きませんか?俺ねぇ、この間安くて美味い店見つけたんですよ」

「・・・は?・・・えっ?・・・あのっ、・・・店?」


・・・あれ?

何だ?前と違くないか?
冷たい態度でなんだろうと思っていれば、今度はオロオロして・・・そして、次は愛想良くなって・・・?

・・・て、俺まだ返事してないぞ。

・・・・・・ハッ!

まさか、一緒にメシ食いに行ってそこで返事を貰おうっていう事かっっ!?



「・・・あの、・・・イルカ先生?」

「・・・・・・ぅえっ?・・・は、ハイッ!」

「・・・あのね、さっきの事なんだけど・・・」


・・・さっきって、やっぱり告白の事かぁぁ!


「・・・忘れて・・・て、までは言えないけど・・・あの、返事が出来ないなら、答えが出るまで待ちますんで・・・」



「・・・・・・・・・へっ?」

・・・ま、待つ?


「まぁ、それとは関係なしに・・・とは、簡単にいかないかもしれないけどね・・・色々イルカ先生に子供達の事とか聞きたいし・・・」


・・・子供達の事を出されては無下には出来ない。

自分だって、本当はずっと聞きたかったのだ。

だけど、カカシ上忍のあまり関わるなという態度で声もかけずらかった。


店に入って来た客に横を通られ、自分達が入口を塞いでいる事に気が付き、慌てた。
こんな男二人にデンと立たれては定員だって困るだろう。


「は、はい。わかりました!・・・では、ちょっと、出ましょう!」

カカシ上忍を促しながら、外に出る。
通行人に打つからない様に道の端によりカカシ上忍と向かい合った。


「そう?良かった。前からずっとイルカ先生と話がしてみたかったんです!」

「・・・は、はぁ、ありがとうございます・・・」


・・・この人、・・・ま、まぁ、俺を、す、好きなのは・・・わかった・・・

でも、だったら受付とかであんな素っ気ない態度だった訳?




前で今から行く居酒屋の話を嬉々として話しているカカシ上忍を見ながら、まだこの人の事がよく掴めないでいて何だか複雑な気持ちになった。














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