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甘く恋する?






「・・・うう、暑い」

さっきから汗とその言葉しか出ず、起き上がる体力もなく畳の上に仰向けに倒れていた。

今アカデミーは夏休み中で、受付やアカデミーでの当直、または任務が入った以外は行く必要もなく長年住んでいる自分のアパートで残していた仕事をしている。

「アー・・・、何か言い訳つけて、アカデミーでしようかなぁ・・・」

その方が断然涼しい。
しかも、電気代もタダだし。

「・・・エアコンねぇ・・・」

と、言いながらも中忍風情にそんなたいそうな機械も買える訳もない。結局毎年親がいた時代から使っている古い扇風機で夏を過ごす。


「・・・何か冷たい物あったかな・・・」

冷蔵庫のあった物を思い出し、とにかく体が冷えるものをと探すが、飲み物位しかなくて余計動く事が面倒になり目を閉じた。




「・・・あれ?イルカ先生、お昼寝中?」

目を開けて声がした方に視線を向けると、部屋の窓から上半身を中に入れて此方を覗いている男がいた。


「・・・・・・いい加減。窓から入るの止めて下さいよ・・・カカシ先生。」

「まぁ、いいから、いいから」

起き上がるのも、面倒でそのまま非難すると反省をした様子もない上忍は、窓からヒョイと部屋の中に入った来た。
ご丁寧に既にサンダルは脱いでいたらしく、飄々と玄関に置きに行く。

本当は起きたくなかったが、流石にそれでは失礼だろうと渋々上半身を起してカカシ先生を見ると、手にビニール袋がぶら下がっている事に気がつき指を指した。

「何ですか?それ?」

質問にウフフと口布を下げながら、座っている俺の横に腰をおろした。

「実は、アイスを買ってきたんです」

「ホントですかっ!」
ラッキーとばかりに喜んでいる俺を目を細め微笑むと持っている袋から買って来たアイスを卓袱台に出し始めた。
てっきり人数分だけだと思ったのにカップアイスからスティックタイプ、チューブタイプ等色々な形のアイスがある。

「・・・こんなに食べれませんよ?」

「あはは、別に今日全部食べる必要はないじゃない。明日の分もあるしねー」

成る程と見ても、それにしても一人では多すぎる。

・・・何だ?明日もカカシ先生来る気かな?

口外しなくても、うっすらとわかるカカシ先生の意思表示に不器用な子供の様で苦笑が漏れた。


「・・・ん?なーに?」

「いえ、何でも」

笑いを誤魔化す様にアイスに手を伸ばすと、「待って」と止められた。

「はい?」

「あ、あのね・・・実はこれをイルカ先生に先に食べて欲しくて・・・」
て、言うと沢山あるアイスの中からスティックタイプのアイスを渡された。
それは、夏期間限定のオレンジ味のスティックアイスで。

「・・・これ?」

「そう、これね。中に果汁のツブツブが入っていてとても美味しいんですよ」

「・・・ヘェ」
カカシ先生に食べる物を決められたと思うより、アイスでこんなにはしゃぐカカシ先生を見たのは初めてでそっちの方が驚いた。
ジッとカカシ先生を見ているとその視線で我に返ったらしく頬を少し赤らめニコリと笑った。

「・・・実は、子供達の受け売り・・・です」

「あははははっ、なぁんだ」
照れ隠しの様にカカシ先生は他のアイスを台所に行き冷蔵庫に仕舞う。そして、自分はカップのアイスを持ち戻って来た。

おそらく、ナルトか流行りの物に興味のあるサクラの影響だろうか。
クスクス笑いながら袋からアイスを取りだし歯をたてた。
・・・が、意外と硬くしょうがないのでペロリと舐める。

確かに普段の子供向けのアイスと違って味が濃くてすぐに口の中にオレンジの風味が広がった。

「・・・ね?あまり甘くなくて果物独特の風味があって俺も気にいってるんです」

「そうですね!」

何だか、楽しそうに話すカカシ先生を見て自分達も子供に戻ったみたく感じてくすぐったかった。

暫く舐めてると漸く噛める程になりシャリシャリとかじる。

「・・・あ、本当だ。ツブツブが入ってる・・・ヘェ〜最近はこういうのもあるんだなぁ」

スティックを持つ手にアイスが溶け始めたので舌を出し下から上にベロリと舐めた。
俺の様子を黙って見ていたカカシ先生が目を広げ何だか、驚いた表情をしている。

「・・・・・・ん?どうしたんですか?」

「・・・えっ!?・・・あ、いや、何でもないよ・・・」
それでもマジマジと此方を見ているカカシ先生を不思議に感じながらもアイスを食べ終えて最後にスティックをペロペロと舐めてゴミ箱に捨てた。
と、カカシ先生を見ると先程出した自分のアイスは蓋も開けておらず卓袱台の上に置いてある。

「あれ?カカシ先生たべないんですか?」
まぁ、カップだし溶けてもまた凍らせれば良いとは思うが。


「・・・そうだなぁ、じゃあ・・・」

そう言ったので、てっきりアイスを食べるのかと思ったのだが何故かカカシ先生は俺の側にスッと近づいた。

「・・・少し貰おうかな」

「・・・は?だから、アイスは・・・・・・ッ!?・・・」
と、いきなり腕を掴まれカカシ先生に引き寄せられると顎を指で上げた。
そして、俺の口のまわりをペロリと舐めると目を細くした。

「・・・うん。美味しい」

「なっ!?・・・カ・・・カカシ、せ・・・ンッ!?んー!」

言葉を発しようと口が開いた途端、カカシ先生の舌が口内に入って来て驚いて引いていた舌を絡めると引き出そうと吸いだした。
さっきまで冷たい物で冷えていた口の中に次に生暖かい、ともすれば生き物の様に動くカカシ先生の舌にギャップを感じる他にまた違う感覚が芽生えビクリと背中が震えた。

カカシ先生の手が背中にまわり、背骨の辺りを上下に擦りながら口はまだ離さず顔の角度を変え何度も口付けをする。
上顎をチロチロと舐められ下腹部が段々と重くなっていくのがわかった。

「あ・・・やっ、まって・・・フ・・・ぅん」


カカシ先生とこんな事をする関係になったのも最近で、男とこんな事はもちろん、女性経験でさえない俺にとってキスだけでも未知の領域なのに。

チュクチュクと耳に聞こえる卑猥な音にもう混乱と羞恥で頭の中がパニックになりそうな時に漸くチュッと軽い音を出してカカシ先生の唇が離れた。

ハァハァと肩で息をしながら潤んだ目でカカシ先生を睨む。
微かにカカシ先生の頬も赤くなっていて、それが綺麗なカカシ先生の顔を余計色っぽくしている。

ハッと気が付けばカカシ先生の顔の向こうは天井になっていて、いつの間に倒されていたのか呆然となった。


・・・てか、カカシ先生、事の流れがスムーズで・・・困る。

そんな事をされて、俺が止めれる訳がない。



「・・・成程、わかりました・・・」

「・・・・・・は?」

突然のカカシ先生の言葉に怒る事も忘れて聞き返してしまった。


「イルカ先生には、スティックのアイスを薦めない方が良いかもね・・・」

「・・・・・・はぁ?」

食べた後で何て事言うんだと思っていると、それとは全く関係ない事を口にした。


「・・・だって、何かイルカ先生が食べているとエロく見えて我慢が出来ないんだもん・・・あ、外でも食べちゃダメでーすよ?」

誰にも見せたくないからと言いながら、また口のまわりを舐め始めた。

何言ってんだと言いたかったのにまた口を塞がれ慌てる。

「ちょっ・・・ま、待って・・・て」

「・・・え〜?なーに?」

途中で止められ少し拗ねた顔のカカシ先生に、俺が悪いのかっ!?とおもいっきり疑問符が浮かんだ。

「・・・も・・・やめ・・・て、下さい」

「・・・どうして?・・・俺に触られるの、嫌?」

悲しそうな表情に違うと首を振る。
本当は言いたくないけど、そうしないとカカシ先生が落ち込みそうに感じた。

「・・・あ、えっと・・・何か自分が変になりそうで・・・怖い・・・?・・・か、ら・・・」
最後まで言う前にギュウッと強く抱き締められた。

「なぁーんだ。そうだったの?・・・フフッ、大丈夫だよ怖がらなくても・・・絶対イルカ先生に酷い事はしないから・・・」

俺の上におい被さる状態で顔を両手で挟まれチュッチュッと額や頬、鼻の上の傷に啄む様なキスをされた。



そんな行動に何も知らない俺はカカシ先生の言葉を信じてしまい、そろそろとカカシ先生の首に腕を回す。

「・・・本当ですか?」

「うん。本当だーよ・・・・・・だから、続き・・・していい?」


「・・・・・・はい」

俺の消えいりそうな声でもちゃんと聞こえていたのか、カカシ先生はフワリと笑うと俺の首筋に鼻を埋めた。



「・・・ホント、イルカ先生・・・かわいい!」








その後、カカシ先生に"嘘つき!"と怒ったのは二日後の体の変な所の痛みと熱が下がってからだった。








END

※・・・結局頂かれたのはイルカ先生デシタ。←"闘の書"設定でお考え下さい。




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