luna
月の行方
「私は反対ですよ、プリーモ。なぜボンゴレを繁栄させるであろう人物をわざわざ手放すようなことをしなければならないのですか」
「んー、俺様は賛成だものねー」
「ま、オレはてめえとあいつの意志次第だな」
「そうでござるな。ルナが良いならば賛成でござるよ」
「オレは究極に賛成だ! ルナには手を汚させたくないからな!」
アメティスタを門外顧問にする。そう告げたときのそれぞれの反応が以上だ。だいたいの意見は予想どおりだ。沈黙しているアラウディは置いておいて、ここにいるもう一人を見やる。
「ルナ、どうだ。受けたいか?」
「私は、プリーモに何かあった時にそばにいられるのなら、どんな役職でも構わない。だから、門外顧問、お受けしたいです」
初めて話したことなのに、彼女は動揺一つ見せずはっきり受けると言ってのけた。一年でぐっと大人びた容姿と考え方、変わらず澄んでいる声、凛と伸びた背筋。自らを汚いと言って泣いた頃からたった一年しか経っていないが、十分幹部を引き受けるに足る。立派な成長を遂げたものだ。
「ならば……頼むぞ。オレの月」
「はい、プリーモ。誠心誠意努めさせていただきます。すべてはあなたのために」
アメティスタはオレに向かって、いつかも見せた、艶やかでひとを惹き付け魅入らせる笑みを浮かべた。ひどく甘美でいとおしい。
オレは微笑み返してもう一つ重要な案件を告げる。
「ルナ、おまえには安全な場所にいてもらう。今のところ第一の案としてはナックルの教会で孤児の世話係なんだが。おまえの弟がそこにいるんだ」
「あの子が、ナックルのところに?」
「究極に元気だぞ! ルナに会いたいとも言っておったし、ちょうどいいかもしれんな」
教会でシスターとして身を隠すと言うのは、実際彼女を保護したときから考えていたことだった。ナックルのところならば危険も少なく、生活の保障が出来る。だからこそ弟を向かわせたのだ。
「プリーモ……配慮ありがとう。ナックル、これからお世話になります。よろしく」
「おう!」
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