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最近の夕食はクラスの子達で固まって食べる。もちろんなつめくんたちは別々なのだけれど。そして不思議なことに私の隣には必ずと言っていいほど心読み君が座っていた。理由を尋ねるとパートナーだからじゃないとかなんとか適当に流されてしまった。今日の夕飯はカレーライスだ。タカハシさんのかれは以外と美味い。もしかしたらお母さんよりも美味しいかもしれない。そういえばお母さん元気にしてるかなあ。どうせまた自分磨きにせっせと動いてるに違いない。なんて考えていると隣の席からカラン、とスプーンを落とす音がした。見ると心読み君の洋服にカレーがべっとりと着いてしまっていた。
「あーあ。気を付けなきゃだよ、心読み君。」
「スプーンがなくちゃ食べれないなあ」
彼には洋服の汚れなどどうでもいいらしい。スプーン落としたのを洗いに行きそうもないしタカハシさんが来るのを待つか。するとポン、と煙を立てて私の手の中にスプーンが収まっていた。え、これは何だ。私が目をパチクリさせていると心読み君が勝手にスプーンを取って行った。頭が混乱したままで洋服についたカレーに目がいく。早く落とさなきゃしみになっちゃうなあ、なんて考えると今度はおしぼりが出てきた。とりあえずそれを使ってカレーを落とす。
「はやく落とさないとシミになっちゃうよ。」
ふと心読み君を見ると以外と顔が近かった。別に恋愛感情なんてものはこれっぽっちもなかったがなんだか恥ずかしくなって離れた。



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あきゅろす。
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