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アリス学園とは言っても基本的には普通の小学校と同じような授業を行っていて生徒も普通の小学生とおなじようにはしゃいでいる。休み時間になるとお約束というべきか転校生の周りは人で溢れかえっていた。
「なまえちゃん!うちさくらみかん言うねん!よろしゅうな!」
1番に声をかけてきたのはこの漫画の主人公でもあるみかんちゃん。実際に見ると漫画より数倍もきらきら元気はつらつとしている。私には少し眩しすぎるくらいに。
「ちょっとあなた、自分のアリスも知らないくせにこの学園に入ってきたの?なんて恥知らずな子なの」
初対面で一言目がこれとはすこしグサリとくるがこの子が悪い子じゃないことを私は知っている。
「うん、自分でも不思議。正田さん?も一緒にアリス探してくれたら嬉しいな。よろしくね」
ほにゃりと笑顔で返すと手伝ってなんてあげないんだから!とツンデレの模範のようなセリフを言って立ち去ってしまった。まったくかわいいんだから。
「パーマのことをかわいいって思うなんて変わってるね」
隣から心を読まれてしまった。だってかわいいんだもの。仕方ないじゃない。
「なまえちゃん!あいつは悪者やで!近付いたらあかん!」
必死の形相で訴えてくるみかんちゃん。人は色んな面を持ってるものなんだよ、と諭すとぶうたれてしまった。

休み時間ごとに質問攻めにされて曖昧に答えているとあっという間に下校時間になってしまった。今日はずっと気を張ったままだったので大分疲れてしまった。部屋に戻ったらすぐ寝よう。ふう、とため息をつきながら席を立つ。
「また明日。」
「うん、また明日。ゆっくり休みなね」
読まれたのだろうか。心読み君の気の利いた一言で少し癒された。





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あきゅろす。
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