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しばらく

しばらく鳴海先生がなにやら喋っていたがトリップしたおかげか意識は半分私の体を抜け出していていつの間にか眠ってしまっていた。

目が覚めた時には既に窓から月の光が覗いていた。体調も戻ったようだし歩いてみようかな。ベットから降りるとはやくも体の異変に気が付いた。明らかに前の世界よりも体が小さくなっている。これじゃぁ中学生か小学生の体ではないか。そこそこあった胸の膨らみもぺちゃんこになっていて少しがっかりした。小学生なのにぷりんぷりんの胸でも困るけれども。

たんすを開けたり窓の外を見てみたり部屋の中を動き回っていると不意にドアがノックされた。
「もう起きてるかな?入るよ」
現れたのは昼間と同じ鳴海先生。1日に2回も訪問とは全くもって見知らぬ女児に良くしてくれるものだ。
「体調良くなったみたいだね。よかったよかった。ところでなんだけど君の名前を教えてもらってもいいかな?僕は鳴海・L・杏樹です。ここの教師をしてるんだ。」
「みょうじなまえです。助けて下さってありがとうございました。お陰様で元気になりました。」
「それでなんだけど、なまえちゃん。なまえちゃんは突如この学園の塀の前に現れたんだよね。この学園の事は知ってる?」
「多少は」
「良かった。それなら話が早い。僕が思うに君はアリスを持っているんじゃないかと思ってね。」
なんだって。そりゃ大変だ。私がアリスを持っているだと。でも確かに私があの天使にお願いしたのはアリスの力。トリップしたということはおそらく私はアリスを持っているんだろう。
「まだ確信的ではないしただの勘だけど、良かったらもう少しこの学園で過ごしてきみのアリスを探してみない?」
よろこんで。この学園に入るために私はトリップしてきたのだから。
「アリスを持っているかわからない私が居ていいんでしょうか」
「大丈夫大丈夫。僕がなんとかするから!」
鳴海先生の完璧な笑顔が緊張していた私の心をほぐし私もへにゃりとした笑顔を返した。
「じゃぁ明日には部屋を用意しておくね。それと落ち着いたらで大丈夫だから僕の受け持っているクラスに来てごらん。アリスを見つけるきっかけになるかも。」
それじゃぁ、と手を振って部屋を出て行ってしまった。そういえば鳴海先生のクラスというで小学5年生。私は小学5年生あたりまでちぢまってしまったのか。まあトリップできたんだし年齢くらいは多目にみてやろう。ついさっきまで寝ていたのにまた瞼が重くなってきた。育ち盛りってのは何時間でも寝れるらしい。




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あきゅろす。
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