四肢拘束触手|BL小説|夢小説|官能小説|エロ小説
恐怖で身体が小刻みに震える


生暖かい。居心地が良い。布団に優しく覆われている感覚、それがケンタの全身を包んでいた。埋まっていた意識が次第にはっきりとしていく。

「……っ!?」

ケンタは意識を取り戻す。しかし、目の前は真っ暗。四肢拘束され身体の自由も利かない。
とはいっても、手先、つま先程度の自由は利くのだが。
それでも、束縛されて自由を奪われていることには違いない。

「な、なにっ……ここどこっ!?」

そうとなったら口で抵抗するしかない。
しかし、なにかが反応してくれることもない。
気がついて数分もの間、もがいていたせいだろうか。ようやく冷静になることができた。

(そうだ。俺、トイレのなかであの……変なのに……)

あの気味の悪い触手を思い出し、吐き気と寒気を感じた。温もりに包まれているにも関わらず。
その恐怖でまともに声も出せなくなってしまう。そんなときだった。

「ケンタ、か」

低くドスのきいた声で名前を囁かれる。突然囁かれ、それだけでも驚きだった。
しかし、それ以上にその声の音源に驚いてしまう。直接頭の中に響いてきたのだ。
さらに恐怖が募っていく。正体不明の相手、さらになにをされるのかという恐怖で身体が小刻みに震える。

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