ボンベイ ペットショップの前でパンサーが立ち止まった。 窓越しに黒い仔猫。興味深げにパンサーを見つめている。 通りを向いて張り付けられた手書きのネームプレートには、品種の説明がされている。 「ミニパンサー、だと」 「ん、んー」 ちゃかすようにホーマーが言っても、猫を見るのに一生懸命であまり耳に入ってないらしい。もともと動物は好きなほうなのだ。もっとも、経済的な理由で、飼うのは難しいのだろうが。 「早くしねーと集合遅れっぞ」 「あ、ぅんー」 やれやれと半ば引き剥がすようにそこから退去させる。 名残惜しそうに、仔猫とパンサーの視線が交された。 「気に入ったかあの猫」 歩きながらホーマーが尋ねた。体つきがしっかりしていて野生味のある背格好は、確かに小さな黒豹という感じだった。パンサーが気になるのもわかる気がする。 「あの猫…」 独り言のようにパンサーが呟く。 「ホーマーと同じ眼の色してたな」 ホーマーが一瞬フリーズした。 「あー!やっぱり何か飼いてぇなー!」 友人の変化にまったく気付く様子もなく、歩いていくパンサー。 (あの猫、飼ってみるか?) そんな思惑が軽く寄切った。 END(?) *********************** 題は猫の品種名。黒い短毛に丸い顔と丸い目が可愛らしい。ちなみに性格はおっとりしてるらしいです。 パンサがホマをときめかすのはいつだって突然。というか天然。 おまけ→ |