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潔癖
パンサーから微かに漂った臭いに、ぐいと体を引き寄せ鼻をひくひく。軽く眉間に皺まで寄っちゃってるなんて本人気付いてないんだろうなあ。
「てめ、煙草吸ってんのか…?」
低いから、声。
言われたほうはきょとんと一回瞬き、自分の臭いをかいでから
「ああ、これ?違うって。新しいバイト先、スモーカー多いんだよ」


食堂で潔癖、と言ったら睨らまれた。
「…うるせ」
「夫の浮気を探る妻って感じだったよ」
今更赤くなっても遅いからね。
「いいじゃない煙草くらい吸ってても」
「嫌だ」
即答。だから潔癖だと言うのに。まぁ僕はそういうところ、嫌いじゃないんだけどね。
「お酒は棚にあげて」
いいじゃねぇか別に!と噛みつかれ。けれどすぐに
「理想の押し付けだよな…」
とへたれる。

大事なものは汚したくない。汚れて欲しくない。
でも守り切る自信もない。
その気苦労、同情するよ。



END

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その煙草の臭いは監督の煙草のにおいでしたーというのも考えたけどやめたさすがに(笑)
もっと色々言いたいことはあったんだけど表現力不足。
あ、パンサーは本当に吸ってませんよ。



あきゅろす。
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