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マーキング

なんとなく違和感があってちらと確認する服装。なんのことはないパーカーの色は白で、胸にロゴが踊っている。着ている人物よりも、ほんの少しばかり大きく見えた。


「見覚えのない上着だな」
 アポロに話しかけられて、パンサーはぴくん、と動きを止めた。いつもながら撫然とした態度で(心の底から怒っているわけではないシャイなだけだとパンサーは知っている)尋ねられる。
「買ったのか」
「いえ、借りたんです」
裾を摘んで言う。
「ほら最近雨続きだったじゃないスか。服なんて大して持ってないんで着るものなくなっちゃって」
のうのうと述べ始めるパンサーは、相変わらずの呑気さでアポロの機嫌が実際に悪化していることに気付かなかった。照れたように笑っている。
「それで貸してもらったんです」


「…ホーマーか」
「あ、よくわかりましたね監督」
「上着の一枚くらい買っとけ!!」
ぴしゃり、と言われて思わずパンサーは目をつぶった。猫だったら耳を伏せているところだろう。
一言叫んでアポロはすたすたと行ってしまった。残されたパンサーは困惑した顔で立ち尽くす。




「よう」
「あ、ホーマー」
「どうしたよぼけっとして」
「…なんか監督に怒られた……」
「へぇ」
なんで怒られたんだろうなぁ、と頭を悩ますパンサーを尻目に、ホーマーはいやが応にも頬が緩むのを感じる。パーカー。よく似合っていると思わねえか?なあ監督。



「ところでこれ洗ってから返すんでいい?」
「別に洗わなくても構わんぞ」




END
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若干ホマが黒いが監督の今までしてきたことを考えればこれくらい全くバチが当たらないと思ふ。



あきゅろす。
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