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アイハヴノウン
実は一目見た時から予感はあった。
伊達に強者達の中に身を置いていたわけではない。いくら半端であろうと(いやむしろ半端だからこそ、コンプレックスの賜か)普通の選手とそうでない、非凡な選手のかぎ分けは出来るようになっていた。
オーラが違うとかそういう類ですらない。ただほんの些細な違和感が一流とそうでないもの達を残酷なまでに分けることはもう学んでいた。


少年は紅潮した頬で自己紹介した。はにかんだ表情。眼がきらきらと輝いている。まだまだ伸びそうな四肢は柔らかな(しかし決して軟弱ではない)肉に覆われている。違和感。肌の色だけでは無く。危険だと皮膚が囁き始める。危険だ。危険だ。


「ポジションは?」


「RB志望です」




予感がほとんど確信に変わってアポロは背を向けた。少年はその動作に少し身をすくめる。彼もまた鼻の利く男だった。しかしニオイに忠実なほど、警戒的でもなかった。
「では明日は六時半に来るように」
低い声。
仔犬が主人に呼び掛けるように、少年は返事をした。



END
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であい。六時半に来てやったのは草むしりとかそういう。




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