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そんな季節
日が暮れるのが早くなって夜が寒くなっていつの間にやら吐いた息は白く見える。
電気屋の前で見た人影。見間違えるはずはない。年季の入ったジャケットは上体を覆って、それでもなお寒かろう。
けれど彼は動かない。

「風邪引くぞ」
「あ、」
「いつからいるんだよ」
「…2Qの頭から」
「てめぇ最後までいるつもりか?」

つってももう4Qも半分以上過ぎてんのか。
TVの端に表示されている時計を見て、ホーマーは呆れたようにため息を漏らす。
バイクのエンジンを吹かす音がパンサーの耳に入った。ちらりと後ろを見ると、ホーマーの姿は消えていた。
視線をTVに戻す。


「おら」
「あれ?」
数分も経ってない。パンサーはホーマーから缶を投げられた。キャッチする。暖かい。
「なんだよ」
「帰ったのかと思ってた」
「寒いから買ってきた。てめえブラック飲めたよな」
「ありがと」
ホーマーは缶を開けてぐびりと飲んだ。パンサーは両手で缶を包み込んで手を温める。
「なんだこりゃ。もう時間潰しじゃねぇか。ひでぇ点差」
「まあそういう日もあるよなぁ。こないだの試合は上手かったのに」
苦笑いしながら言うパンサーに、ホーマーはまたため息をつく。
「こんな試合でも最後まで見るのか」
「いや折角だし…」
「ばーか」
また一口ぐびりとコーヒーを飲むホーマーを、パンサーは困ったように見る。
「好きだけどな」
最後の一言にパンサーは小さく笑うと、缶を開けてコーヒーを啜った。



END
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アメフトが好きなパンサーが好きです。



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