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励ます事実
(そう言ってくれる君がいることが、)


*


生まれてきて良かったと思ってるかお前

「明日誕生日なんだ」
親しくなり始めた頃、うきうきした気分でそう言った俺に、醒めた目をしてホーマーは訊いた。たまに彼がそういう目をするのは、世の中を嫌っているからではなくて、むしろ信頼したいからだった。だから少しでも裏切られると、擦れてしまう。今では分かる。
でもその時は突然の質問に驚いて
「ホーマーはそう思ってないの?」
と逆に訊き返してしまった。
「ちげーよ。馬鹿」
怒ったような表情に少しがっかりして(でもその顔はその頃既に見慣れていた)けれど勘違いには気付かなかった俺は、つくづくおめでたく出来ている。



「良かったと思ってるよ」
誕生日を控えた今日、数年越しで質問に答える。
ホーマーは「いつの話だよ」とうんざりした振りをして、だけどそれが嬉しいのを隠してるだけってことを、俺はもう知っていた。
「あれってさ」
暗いと、息の白さが目立つ。明日の朝も寒いのかな。
「“生まれ方”のことだったんでしょ」
ホーマーは黙って息を吐いた。しばらくしてから言う。
「お前さ、あの時でも同じ答えか」
「…多分ね」
「本当か?」
「違っても、口には出せない」
だってそれは、何だか失礼に感じる。


そうか、と言ったホーマーは心なしか喜んでいるように見えた。そうだといいな、と思う。
「ていうか、なんでそんなこと訊いてきたの?」
「…励ましてほしかっただけだ」
「?」
「てめぇが生まれてきて良かった」
頬が赤くなったのは、寒さの所為じゃなくて。
そう言ってくれる人がいる間は、俺はいつだって幸せなのだ。



END
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あえて、前日に上げます。また意味不明気味ですね。ホマ視点のほうが書きやすいのです。パンサは本気で天然なんだもの。
なにはともあれ、誕生日おめでとー!生まれてくれてありがとー!





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