強烈な快感と恥辱に身悶えする|BL小説|裏夢小説|官能小説|エロ小説
身体を好き勝手に弄っていく


広い浴場に、アユム一人だけが残される。アユムはなおも朦朧とする意識の中で、どういう訳か男が伝えた部屋の番号だけは鮮明に記憶に刻み込んでいたのだった。


ガチャッ


背後から、ドアの鍵を締める音が響いた。もう引き返す事は出来ない。緊張と恐怖が増していく。


部屋の主人に中へと誘われながらも、アユムは玄関前から動く事も出来ずに立ち尽くす。


密室を完成させた男が、そんなアユムの背後から身体を抱き締めてきた。


男の腕の中で、アユムは微動だに出来ぬまま硬直してしまう。


「まさか、本当にここへやって来るたぁビックリだ」


アユムの耳元で男が囁く。


何も答えられず、アユムは深く俯いたまま黙り込む。


なぜこんな所へ来てしまったのか、自問自答だけが虚しく心の中で繰り返される。


「連れとは楽しんできたのか?」


「あ、あんたには……関係ないだろ……」


声を引き絞り、アユムは必死になって言い返す。


「そう緊張するな、夜はまだ長いんだ」


男は静かに言ってきた。そして背後から、アユムへと添えていた腕をゆっくりと動かし始める。


グッと、アユムはさらに全身を力ませた。男の手が、アユムの身体を好き勝手に弄っていく。


震えそうになる感覚が、アユムの中を駆け巡る。しかしアユムは、男に抗えぬまま身を委ねる結果となっていた。


男への激しい嫌悪を抱きながらも、なぜか心臓の鼓動が苦しいまでに高鳴ってきてしまう。


やがて男の右手が、アユムの着ていた浴衣の裾から中へと強引に差し込まれてくる。


「っ……!」


思わず発してしまいそうになる声を、アユムは寸前のところで押し殺す。


穿いている下着の上から、男はアユムの股間を乱暴に掴んでくる。


アユムのモノを確認するや、男は野卑な笑みを浮かべてきた。


そしてそのまま、揉み解す様に股間に食い込ませた指を動かしていく。


その間、アユムはただひたすらにこの屈辱の時間に甘んじていたのだった。


「ひょっとしてお前、連れに手も出さずにほったらかしてここへ来たのか?」


予期せぬ男の言葉に、アユムは動揺を露にさせてしまう。


「何で……」


「一発仕込んでたにしちゃ、女の香りが少しもお前から感じられねぇ。かといって髪とかも全然濡れてねぇし、その後に身体洗った様子でもなさそうだからな」


「………」


男の洞察力に、アユムは沈黙する以外に術がなかった。


「図星か?」


「うるさい!」


アユムの中で焦燥が募る。


そんなアユムを眺めながら、男がフフンと鼻で笑う。


「その威勢のよさ、俺は嫌いじゃないぜ」


男の手は、さらに大胆な手付きとなってアユムの股間を弄っていく。


「んぅっ……」


加えられる刺激は、紛れもない性感となってアユムの下半身を熱くさせてしまう。


露天風呂でのたった一度の体験が、アユムの身体に歪んだ悦楽の記憶を植え付けていた。


一度拍車が掛かると、下着の中で俺のペニスが急速に豹変していく。


男は肩越しに、そんなアユムの股間を見下ろしてきた。


「なるほど、わざわざ自分からここへ来ただけの事はあるな」


「………」


堪らない悔しさに、アユムは強く下唇を噛み締める。


(何してんだよ……こんな奴に、俺は……)


夕方の悪夢は、アユムにとって決して忘れられぬトラウマとなっていた。


しかしそれでもなお、その張本人である男の部屋へと深夜に尋ねて来てしまった自分。


単なる気の迷いで済むはずがない。男に何をされようが、もはや全てが己の責任であった。


宿泊している部屋では、アユムがこっそりと抜け出した事も知らずに恋人が深い眠りの中にいる事だろう。


男の言う通り、今夜のアユムは彼女に指一本触れていない。


あの一軒で、アユムはとてもそんな気分にはなれなかった。


だが結局、それはこの男の部屋を訪ねるアリバイ作りでしかなかった。


アユムは誰よりも愛していたはずの彼女を裏切ったのだ。


それも彼女には想像だに出来ない形で。


「んっ……あっ……」


男の手の下で、いよいよアユムのペニスは露骨な姿となっていく。


しだいに荒くなっていく吐息と喘ぎ。止めどなく肥大化するばかりの欲望が、アユムの中で完全に理性と乖離し暴走していく。


「誰の目も気にしなくていいんだ、じっくりと楽しもうぜ」


「突っ立ったままも疲れるだろ?こっち来いよ」

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