バイオレンスラブ
01
「お、おかえり…」
ぼそりと呟くと拓海(たくみ)は、この家の主人であって居候させてやってる俺に目も合わせず。
「おい、それだけか!?」
「ああ?それ意外になにがあるってーんだよ」
「なさいませ?あ、あとダーリン(ハート)が足りないいい!」
「うっせえ!んな事言えるかボケ!カス!ソチン!」
スリッパやらクッションが剛速球で飛んでくる始末だ。
「ああ"あの時"はあーんなに可愛く俺に縋ってきた癖にい〜って!ひいいいい!?」
オーバーアクションに気味にやれやれといった様子でニッコリと微笑んでやったのが、悪かった…
今度はフライパンを握って俺を今にも殴りかかりそうな睨みをきかせていた。
「俺は元々ノーマルだあ!もしも、もしもだ!ゲイになったとしても突っ込む方がまだましだあああああっ」
この変態!ホモ!と罵声はやりやまない。
「俺のバックバージンを返しやがれええ!」
あ、と言った様子で拓海は顔を信号機の様に赤青色にちかちかさせている。
墓穴を掘ったのだ。
にも関わらず逆切れ(?)でまたしても俺に物を投げ始めた。
そう、俺の可愛い可愛い想い人ちゃんはとっても照れ屋さんで、ちょっぴり暴力的な"男"なのである!
「なに薄ら笑い浮かべてやがんだ、コラ。キモチワルイからやめやがれ!」
「まーた照れちゃって!そうゆうとこも可愛いんだけどネ!」
テヘっ☆とウィンクを投げたら、顔面にグーがめり込んだ。
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