眠くなるHR。
「昨日振りね、零。」
『今朝は生徒会だった?』
「えぇ。ったくあの馬鹿皇、ギリギリまで仕事溜めとくんだから。」
喋り掛けてきた彼女は鴻 媛乃(オオトリ ヒメノ)。兄が皇雅(コウガ)で厄介なことに双子。
ついでに言うと兄が生徒会長で媛乃が副会長。
仲が良いのか悪いのか、よくわからない兄妹。
「媛ちゃん媛ちゃん!」
「何よ月、相変わらず零の周りうろちょろしてんのね。」
「う、うろちょろなんかしてないもんっ!それは媛ちゃんの方でしょ!!良いこと教えてあげようと思ったけどやぁーめたっ!」
「零はあたしのこと好きだからいーの。良いこと?どうせ下らないことでしょ。」
「れーちゃんは僕のこと好きなの!転入生は下らなくないもんっ。」
「へぇ、転入生来るんだ?」
「あ゙…、」
「………てことで零、あたしと月どっちが好き?」
転入生はどうしたんだ、転入生は。
というかお願いだからこっちに話を振らないでほしいんだけど。
……ま、いつものことか。
『…どーでもいい。』
頬杖を付いてそっぽを向きながら答えを返すとすぐ近くでぴしりと固まる音…、あれ?
なんで固まってんの?
「はぁーい皆ぁ、席に着いてー。」
聞こうとしたところで担任の先生が入って来てしまった為ほっとくことにした。
「皆には関係ないと思うけど、1年生に転入生がやって来ました。ちなみにその子魔族らしいから見かけたら声掛けてあげてね。
あ、そうそう。今年の歓迎会は学園でやるらしいから……――」
らしいばかり言って本当にこの人教師?と誰もが思ってるに違いない。
…そんなことより今は眠い。
HRなんかそっちのけで先ずは寝ることに集中した。
後で話を聞いておけばよかったと嘆いても仕方がない。
(れ、零様が寝ていらっしゃる…!)
(皆っ、静かに!)
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