6
4人の男達は風紀の2人が連れて行った。
そして蓬来様と2人きりに。
僕に背を向けてる蓬来様へ目を向けられない。
だって、僕は臆病者だから…。
くるりと振り向いた蓬来様に肩がびくりと跳ねた。
『貴方は…、』
「あ、のっ…ちち違うんです…っ、」
ゆっくりと近付いてくる蓬来様にびくつく。
「ぼく、別に蓬来様にっめ迷惑かけたかった訳、じゃなくって…っ、」
遂に目の前まで来た蓬来様は何故かしゃがんで、僕と目線を合わせた。
『頬、赤い…。平気?』
「…ぅ、あ、」
『あのクソ野郎共が…、傷が残ったらどうしてくれようか…っ。』
ぶつぶつと呟く言葉が聞き取れず、首を傾げる。
突如蓬来様の手のひらが頬に触れる。
触れ合う場所が熱い。
『光より仕える者達、癒せ、その能(ちから)で。』
「な、んで…、」
助けたんですか。
言おうとした言葉は出てこなくて、唯口だけがぱくぱく動く。
そんな僕に首を傾げる蓬来様。
『保健室の方がよかった?』
「い、いや…そうじゃなくって……、何で僕を助けたんですか…。」
『あぁ…、風紀にお願いされたから。』
そう言った後に僕の腕を引く蓬来様に戸惑う。
連れてこられた場所は風紀室だった。
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