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1時間以上もの入学式が終わり、体育館を出ようとした時腕を掴まれた。

振り返れば先程の男の子だった。



「っ、やっぱり心配だよ。保健室行こう?」

「あ、いや…僕は、」



優しげな物言いに断る事が出来ず、引きずられ気味に僕たちは保健室に向かう。



「失礼しまーす。」

「…失礼します。」



がらんとした保健室。
きつい薬品の臭いがするこの空間は嫌いだ。



「少し、寝た方がいいよ。」



ベッドを指され、素直に頷いた。
気付けば少しだけ眠いし。

1つは誰かが使っているのか、白いカーテンで仕切られている。


空いている方のベッドに寝ころび、瞼を閉じた。

確かこの後は軽く30分程HRした後解散だったか。


意識が遠退いていく中でまたね、という声がした。















「ん、うう…、」



目を開けると真っ白な天井。
そういえば保健室で寝てたんだった。

時間を見ると、眠ってから15分しか経っていなかった。

開いていた窓からふわりと風が入って白いカーテンを揺らす。


揺れたカーテンの狭間に見えた向かいのベッドに寝ている人。



「う、そ…。」



艶のある黒髪に今は閉じられている綺麗な碧眼。

忘れもしない。あの人は、僕が探していた人。


…まさかこんな早くに会えるなんて。

自分でも気付かない内に彼女が横たわるベッドに近付いていた。



『…何か用。』



彼女の瞼が開かれ、その綺麗な瞳が露わになる。

突然声を掛けられ、肩が跳ねる。





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