奴隷。
今から約10年前。
人間と魔族の戦いが勃発した。
戦闘用奴隷だった私は人間を数えきれないくらい殺した…。
『失望・落胆・憎悪…異香に寄せられ心魂に闇を誘う。』
「ば、化け物っっ…、うあ゙あ゙あ゙あああっ!!!」
悲しいとは思わない。思えない。
化け物と呼ばれても仕方ない。
「さっさと歩け!次の仕事が待ってるんだ!」
『……。』
為すがままに従う姿はさぞ滑稽だろう。
だけど、すべてがどうでも良くなってしまえば必然、とでも言えるだろうか。
「君、魔族だよね。」
『…そういうあんたこそ…魔族。』
「碧眼の魔族なんて初めて見たよ。ど?俺に着いて来る気は?」
『……ない。』
いっそ死んでしまえたら楽なのに。
(歯車は動き出さない)
(誰が回してくれる?)
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