使えない力。
主人様につくようになってから2年経った。
今までで1番長く続いた。
主人様は私の力に当てられることなく、寧ろ私より主人様の方が強い。
そんな主人様とは、お互い名前で呼び合うようになった。
『キョウくん。』
「……レイ、何故できない。」
『ごめんなさい…。』
最近、キョウくんは稽古をつけてくれるようになった。
そして私は…闇の力が使えなくなってしまった。
無理しなくてもいいよってサクは言ってくれるけど…。
「…闇は闇でしか倒せない。」
『わかってます…。』
戦争の中、人間側につく魔族も少数ながらいた。
その中に闇属性が今まで2、3人はいたのだ。
だが昔は闇の力が使えた。
でも今、は…。
『私、いらない…?』
俯きながら小さく口にする。
キョウくんは溜め息混じりにそんな訳ないだろと言ってくれた。
闇の力が使えぬまま、1年が経った。
その後は知っての通り。
マスターが突然現れ、誘拐された。
「誘拐?零がついてきたそうだったから。」
『…まぁ別にいいけど。』
「キョウくんは壊れちゃったんだよ?レイが戻ってこないから。」
『……。』
「ま、その話は置いといてェー。先ずはアレ、倒しちゃおっかァ。」
振り向いて闇に包まれた生徒を睨み付けるレンくん。
レンくんの戦い方は凄く艶やか。
「闇を以て闇を制する。暗黒非道な闇よ、我に従え。」
「グ、ガァァァァッッ…!」
『光より仕える者達、癒せ、その能で。』
レンくんの攻撃で苦しむ生徒を直ぐ様光で癒す。
完全に闇が抜けたのか気を失ってしまった生徒を風紀に任せる。
結局歓迎会は中止。
媛乃は会長に任せ、私はというとレンくんに連れられ、レンくんの部屋に来ていた。
(日常が)
(変わっていく)
*前
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