喧嘩。
まずい。
『お金持ってなかった…。』
そして道に迷った。
迷路みたいな通路に佇んでいると1つの影が近づいてくる。
『だれ。』
「あ゙?何で餓鬼がこんなとこにいんだよ。」
『……迷った。』
「チッ、お前初等部の生徒か?…めんどくせぇ。」
そう言いながら腕の下に手を入れられ、持ち上げられた。
驚いて反応できなかった。
じたばた暴れてみるが、子供の力なんてたかが知れてる。
『下ろせ…!』
「はいはい。初等部着いたらな。」
「…レイ!!」
後ろから声が聞こえた。
主人様は名前で呼んでくれないから違うと思っていたが、あっさり裏切られた。
眉間に皺を寄せてる主人様は数歩後ろで立ち止まる。
いきなり体が浮いたと思ったら、主人様に抱っこされていた。
今のは蔓だった。
「何やってんだテメェ…。」
「あ゙?てめぇに関係ねぇだろーが。」
喧嘩しそうな雰囲気に少し戸惑う。
止めた方がいいのか…。
こんな時にサクがいてくれたらと思うが願いは叶わず…、喧嘩は発展していく。
「胸糞わりぃ。消えろ。」
「テメェが消えろ。」
止めるしかないのか。
……仕方ない止めるか。
意を決して主人様のブレザーの襟元を軽く引っ張ると気づいてくれたみたいだ。
『主人様、喉渇きました…。』
「チッ…、命拾いしたな、ナギ…。」
「そりゃお前だろうが。
…おい、其処の餓鬼。名前教えろ。」
「うるせぇ。消えろ。」
「お前に聞いてんじゃねーよっ。」
またもや口喧嘩が始まった。
教えたら止まるのかと思い口を開く。
『……ゼロ=クラウン。主人様の戦闘用奴隷、です…。』
「クラウン……、そうか。」
何か納得したような顔でナギと呼ばれていた男は去っていった。
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