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涙。


『ぅ、ん……』

「零?」

『マスター……、昨日、けいやく…、』



意味がわかったのか、ほら。とマスターの腕には烙印が捺されている。


嗚呼、本当に契約してしまったんだ。
それから1週間後、漸く鎖は取ってもらえ外に出してもらえた。

周りにどうしたのかと聞かれもしたが、体調が悪かったと適当に誤魔化した。






契約したのは15歳。
2年経った今でもマスターはたまに怒って監禁、なんてことがあるけど慣れたもの。

何だかんだ媛乃とは一緒にいるようになって、その後月にもなつかれてしまった。



誰かと行動を共にすることや馴れ合うなんて昔では考えられなかった。




















「零!!」

『マスターには感謝してる。だけどそれとこれとは話が違う。』

「お前は俺のモノだ。」



埒があかない。話が通じない。

起きてるのか起きているのか分からない会長。
いい加減足痛くなってきたんだけど。



『……会長、起きて。』



耳元でこそりと話し掛けるが反応はない。
寝た振り…?


面倒だなぁ、もう。



「ちっ…、覚えておけ零、俺を怒らせるとどうなるか……身をもって教えてやる。」

『………マスターの馬鹿。』

「言ってろ。」



くるりと踵を返すマスターに声を掛けられない。

離れていってしまう背中が怖い。
マスター、貴方も私のこと棄てるの?見放すの?


ぴくりと膝の上にある頭が動いた。



「零…、泣いてるのか。」

『な、く…?』

「わかってないのか。……ほら。」



会長に頬を撫でられる。
確かに濡れていた。

涙なんて、泣くなんて初めてのことに戸惑う。
起き上がって微笑む会長にすがり付きたくなるのをぐっ、と堪える。



「どうした。」

『かい、ちょーの…、ばか。』

「くく…っ、なんでだよ。」



涙を流しながらぎゅ、と会長の服の裾を掴む。
マスターは怒ってるし会長は優しいしもう訳分かんない。











(愛してる)
(アイシテル)




*前

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あきゅろす。
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