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契約。


再来月、俺の双子の妹が諏央に来る。
頼みというのは妹と仲良くしてほしいんだ。


そんなこと。
そう。そんなことなのだ。周りからすれば。

別に人と関わるのが怖いとか、そう思ってる訳ではない。
だけど無理。人に関心が持てない。


きっと鴻の頼みも無理だと思う。



「おかえり、零。」



何故か私の部屋で待ち構えていたマスター。
笑顔だけど、……怒ってる。なんで?



『マスター、何怒って…、』

「ねぇ、零?お前は俺のモノだろ?」

『あれ、マスターなんか口調がおかしい。』

「うるさいんだよ。早く答えろ。」



青筋立ってるマスター初めて見た。

マスターって怒った時口調変わるんだ、とどうでもいいことを考えていたら蛇の形をした水の塊が凄い勢いで飛んでくる。



『っ、かは…!』

「ふざけるなよ。何故俺がお前を野放しにしてると思う?」

『……つ、』



反応出来ずまともに直撃してしまい、後ろに吹っ飛ばされる。
髪を鷲掴みされ上を向かされて、マスターと目が合う。


ぎろりと翡翠の目に睨み付けられると流石に怯んでしまう。



「壊れてしまうからだよ。俺は壊れてる零はいらねぇ。」

『ます、たー…、』

「1週間、ここから出ることは許さねぇ。わかったか。」



こくりと頷くと首輪に銀色の鎖が付けられる。
これは…力を封じる鎖。

部屋中歩き回れる長さだが丁度外には出られない。


リビングから部屋を移動し、ベッドに座るマスターに手招きされる。



「零…、俺と契約してよ。」



辛そうな声。
前から抱き締められ息が苦しい。



『でも、契約は…、』

「わかってる。でも不安なんだよ…。」



契約にはルールがある。
学園の在学中には契約をしてはいけない。
卒業式時点でのパートナーと契約をしなければならない。

因みに魔族同士、人間同士のパートナーは禁止。


でも、魔族同士での契約はできなくもない。
だけれど契約をするということは生涯忠誠を誓い、万が一契約を切った場合、神に罰せられる。


それでも、マスターが望むのなら。


『契約、する。』

「零……いいの?」

『拾われた時からマスターのモノ、でしょう?』

「……ごめんね、零。」



眉を下げて微笑むマスターは何処か嬉しそうだった。







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あきゅろす。
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