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道化師の思惑。
【side:香蓬院 翠】



皇雅と零が部屋を出ていく。
2人きりなのは少し面白くないけど、それはまぁしょうがない。

だって俺だけ舞台に立つのは詰まらない。


零にも、皇雅にも同じ所に立ってもらわないと。

そう考えてたところに携帯が音を発てた。



「…どう?」

〔藤野葵と会長様、零様が只今接触中です。喧嘩、してるみたいですが…、〕

「ふふ、そう。」

〔大丈夫なのでしょうか…っ?
萩元様も出てきてしまったんですけど…。〕

「日向は零のこと大好きだからなぁ。うん、大丈夫。きっと雅臣(マサオミ)いるし。」

〔いっ、一ノ瀬様がいらっしゃるのですか!?もしばれたら…、〕

「平気だよ。取り敢えずこのまま観察続けて。明日にでも報告してくれればいいから。」

〔わ、わかりました!〕



ぷちりと通話を切ってほくそ笑む。
日向が出てきたのは予想外だったけど…まぁなんとかなるだろう。

日向を巻き込む気はないし。



ソファーから立ち上がり外に出る為、ドアノブを回そうとしたら逆にドアノブが回った。

扉の先にはもう1人のこの部屋の主。



「あら、何で貴方がここに?」

「副会長こそ、こんな時間まで何やってるの?」

「……色々あるの。」

「へぇ…。」



俺の真横を過ぎる副会長。
振り返りもせず、扉を開け口を開く。



「別に俺には関係ないけど、零の周りを調べても無駄だから。」

「……、」

「零は俺の。俺は零の。わかるでしょ?
…じゃあ、精々頑張ってね。」



部屋から出て今頃皇雅と特訓をしてるだろう零の元へ向かう。

まさかあんなことになってるとは露知らず。








(崩れていく)
(俺の唯一の世界が)







*前

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あきゅろす。
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