早速遭遇。
帰る途中に1階上にあるコンビニに寄ってから、月と6階でさよならした。
何だか名残惜しい顔してたけどそこは気付かない振り。
これ以上遅くなれば何言われるか分かんないし。
さて、今日は見つからず来れたのだろうか。
『………。』
「おかえり、零。」
「遅かったじゃねぇか。…ちっ、かじるんじゃねぇよ。」
自分の部屋のようにソファーでふんぞり返ってるマスター、とうるに足をかじられてる会長。
何でいるんだバ会長意味がわからないんですけど。
取り敢えず足をかじってるうるを退かしてあげよう。
『うる、病気になるからおいで。』
「おい零どういう意味だ。」
『…そのまま。ていうか何で会長がいるの。』
寄ってきたうるの頭を撫でながら会長を見据える。
なんかもうこの人の相手するの面倒なんだけどどうしよう。
マスターはにこにこしてるし。
何を企んでるのか知らないけど勘弁してほしい。
「見つかっちゃったんだ零。ごめんね?」
『はぁー…。それで、会長も一緒に行くの?』
「勿論だ。」
『……早く行って早く終わらせたいんだけど。』
何時までも動こうとしない2人にそう言えばすくりと立ち上がる会長。
マスターは未だ微笑みながら座っている。
『マスター、』
「俺は後から行くよ。先に2人で行ってて?」
『ちょ、マスター何言って「行くぞ、零。」……ちゃんと来てよね。』
「わかってるよ。」
手を振り見送りをするマスター。
あれ、この部屋の主って私で合ってるよね。
いや間違ってたらどうしよう。
会長に手を引かれながらどうでもいいことを考えた。
所謂現実逃避ってやつだ。
「あ!ちょっとそこの人達っ!」
「…ちっ。」
会長と何故か手を繋ぎながら歩いていると、きょろきょろしてる不審人物が話掛けてきた。
舌打ちをした会長を見上げると苦笑いされた。(なんで?)
「ちょっと教えてほしいことがあるんだけど!」
「取り込み中だ。違う奴に聞け。」
「あっ!さっきの失礼な人!!」
「五月蝿い。大体失礼なのはお前の方だろう。」
んんん?
会長とこの子は顔見知り?
にしては随分と喧嘩腰だなぁ。
いきなりちょんちょんと肩を叩かれた。
『…なに?』
「あ、あのっ、名前なんていうのっ?」
『どうして?』
「あなたと、友達になりたい!」
『……嫌、』
いきなり友達?それは無理な話だ。
別に人見知りとかじゃないけど、生理的に無理な人ぐらいいるでしょ?
そう、多分間違っていなければこの子は…、
『藤野葵、私はあなたが嫌い。』
「えっ…、」
『月にも近付かないで。』
それだけ言って転入生の横を通り過ぎる。
直ぐ後ろでがちゃりとドアが開く音がして溜息を吐いた。
(誰にも破壊させない)
(この世界が唯一の生きる意味)
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