鈴。 りーん、 りーん… 小さい鈴の音…けれど心地良い鈴の音。 首にある細くて黒い首輪は飼われているという証…―― だが学園の者達は気付かない。 「蓬来様ってパートナーいるのかなぁ?」 「確かいない筈だよっ。」 「じゃあ俺、パートナーに…」 「ちょっ、抜け駆けは駄目だよ!」 気付けない…―― だって知られてはいけない。 『マスター、今日の稽古は?』 「今日は火を強化するよ。」 『はい。』 「唯我ある姿、映し出せ…水鏡。」 『火を纏い脚は強攻。』 魔族同士のパートナーは禁忌…。 (犯してしまった) (でも離れられない) *前 |