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泡世界


ふわふわ。ふわふわ。


「なーに恥ずかしがってんの、土方くん」
「………べつに、恥ずかしがってねぇし」


ふわふわ。ふわふわ。


「…ほんとにぃ?」
「だ、だから恥ずかしがってねぇって!」


目の前にあるたくさんのやわらかい白。じんわりと広がっていく熱。あまったるい顔した恋人。


俺、最高に幸せ。


「じゃあなんでこっち来ねーんだよ」

ぱしゃりと響かせて坂田は口を尖らせる。一面に浮いている泡をすくっては息を吹きかけすくっては息を吹きかけ、ほんわかした浴室に飛ばしていく。その度にうすく閉じる瞼が色っぽくてドキドキした。あぁ、かっこいい。

「狭い風呂に男二人で入ってんだわざわざ窮屈にしなくてもいいだろ」

坂田の仕草ひとつひとつに緊張しているのを知られたくなくて何でもないように言ってやる(声、震えてなかったよな?)。本当はそんなふうに言いたいわけではないのだが、相変わらず素直でない自分が嫌になる。こんな態度で嫌われたりしないだろうか。正面に向かい合って座っている今の体勢が恋人は不満らしい、つまらなさそうに泡で遊んでいる。だが大好きな彼のそばにしかも裸で近づくなんて緊張のあまり自分はどうにかなってしまうだろう。みっともないところなど見せたくないのだ。坂田には悪いが今の状態をキープしておかねば。ぐるぐると頭を回転させて動揺を悟られないようにとしていれば、ばしゃりと大きく響いた音に身を固まらせてあとは坂田の膝の上にいた。


だめだ。相当緊張している。
き、きづかなかっただと……!


「な、なになッ…にして…!」
「だーめ。せっかく一緒に入ってんだから俺土方とベタベタしたい」


ドキ、ドキ、と鼓動に合わせて揺れる身体、水面、泡。そんなことは触れている部分から伝わってわかっているんだろう、彼は落ち着かせるように背中を撫でてくれた。恥ずかしくて恥ずかしくて顔をあげられないでいたがそっと優しく耳に触れられて「真っ赤」と笑われれば黙っていられなかった。


「べっ…べつにお前のせいじゃないからな!顔が赤いのは風呂に入ってるせいだからな!」


次の瞬間激しく口づけられていて本当に意識がとぶかと思った。


「はぁっ、もうなんでお前そんなに可愛いの…ッ!」
「あ、あっ、さか、んむぅ…!」

抱き込まれた身体は逃げることができなくて、彼がいやらしく触れるたびビクビクと反応してしまう。

「あー、もうだめ。我慢できない。銀さんはこれから狼になります」
「あ、はぁんッ!」
「堪んねぇ…ッ!」

ばっしゃばっしゃとお湯が揺れるたびに自分の中の気持ちも溢れていくようで、でもたまらなく気持ちよくてここが風呂場だなんてことは綺麗さっぱり忘れて喘いだ。


俺、最っ高に幸せ。


@脱衣所

桂「あのメス猫があぁぁッ…!」
高「お前そろそろホントにヤバイぞ」


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基本的にラブラブな二人。
20091101

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あきゅろす。
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