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追悼記念日


ちくしょう。
腹が立つ。ムカムカする。苛々苛々。苛々苛々。


あー、腹立つッ!!!!!!


気が短いのは知っている。沸点が割と低いことも知っている。そうして長いこと生きてきた自分だ。だからこの性分はなかなか治らないことは熟知しているし仕方ないとも思っていた、彼と付き合うまでは。いざ焦がれた男と結ばれてみれば面倒臭い連中がお付きだったがそれはいい、端から坂田はコブ付きだ(もちろんあのガキ共のことだ)。それぐらいの気負いがなくては嫁には行けぬ。


しかしどうにも、虫が好かない男がいた。


そいつはうざったい外見に違わず大層うざったい野郎で初対面がアレだったものだから印象など最低の中の最低でようはクソだ。それでも愛しい男は誰よりも平和主義の仲間思いの情に厚い男(※見解の違いです)なものだから、たとえぶん殴ってしょっぴいてざまぁみさらせと笑ってやりたくてもとにかくひたすら穏やかに過ごさねばならない。非常に腹立だしいことこの上ないが、坂田が望むのだから異論などあるはずもない。愛しい男のために我慢すればいいだけのことだ。なんてことはない。我慢できた。…はずなのに。


ちくしょうちくしょうちくしょうッ!!!!


原因はいつものくだらない嫌み(俺に言わせりゃ僻みだなありゃ)だがいつにもましてしつこかったので、坂田がいないところでならと思ったら失敗した。悪いことはできねぇなぁ。気配に聡いんだからやっぱり気付くよな、うん。さすがだ。はぁ惚れ惚れするぜ。仕置きの後、反省しろと出て行った彼はそれっきりで昨日は帰ってこなかった。まだ怒っているのだろうか。…あぁ、不安だ。


ちくしょう、それもこれもあの変態長髪野郎のせいだ。一緒に怒られはしたがあの後なぜか坂田はアイツを連れて出て行ってしまった(※飲み代の財布ということに気付いてません)。本当なら一緒に過ごせるはずだったそれをあのいけ好かない小姑のような男に奪われてしまったことが腹立だしい。だいたいなんだってアイツは銀時銀時とベタベタうるさいんだ(俺だって名前呼びしたことないのに!)、あの野郎が好きなのはあの白い化け物だろうが!以前アイツとヤッたときに「エリッ…」と呼ばれたのを俺は忘れねーぞ。坂田が言うから抱かれてやったのに人のこと寸胴オバQと一緒にしやがって。高杉がヅラは本当に気持ち悪ィから気をつけろと言っていたが正しくそうだった(そういえばまた高杉に世話になってしまったな、改めて礼を言って愚痴を聞いてもらおう)。
あんな変態が坂田の盟友だなんて死んでも認めたくないがそれでも坂田の"大事な"人なんだから仕方ない。悔しいけれど。ものすごーく悔しいけれど。悔しすぎてどうにかなってしまいそうだけれど!


…なんだかイライラしすぎて気持ち悪くなってきた。不毛だ。ああ。
坂田、まだ怒ってるかな。
怒ってないといいなぁ。


懐から馴染みの安定剤を取り出し口にくわえる。このけたくそ悪い気持ちは誰の前にも吐き出すことはできない。誰にも知られずに葬らなければならないのだ。あぁ何度自分を葬ってきたことか。
音にのせることが叶わないのならばせめて紫煙にのせて。


今日は帰ってくるかな。
いやダメだったら万事屋に行こう。


ふぅと息を空に吐いて埋葬してやる。


(…ケーキでも買って帰るか)


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もう何度目かになる追悼記念。
20091030

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