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※所謂コミュニケーション


「不本意かつ不本意でどーしよーもなく不本意だが抱いてやる。脱げ」
「殺すぞテメェ」

尊大に言い放った男にあぁなんだってこんな時高杉はいないんだと泣きたくなった。


例によって鶴の一声である。
「お前らはさ、もうちょっと仲良くしないとダメだと思うんだよね」告げるなりこれ使えなとゴムやらローションやら大人向けのおもちゃを手渡して愛しい彼は出かけて行った。俺今日お妙ンとこで飲みなんだ〜と嬉しそうに目尻を緩ませる顔を見れば、みっともなく行かないでなんて縋れるはずもない。残された俺達は目を合わせて同時に息を吐いた。だいぶ前のことだ。


頼りになる隻眼の男はここ数日姿を見ていない。おそらくこちらを離れているのだろう、期待出来そうになかった。腹立だしいことこの上ないが今日はこの憎たらしい男と床を共に過ごさなければならない。坂田の命令だ。絶対である。派手なことはやらかしてなかったが険悪なムードはいつものことなので案じてくれたのだろう(あぁ、坂田に気を遣わせてしまった。帰ってきたらそれとなく謝ろう、うん)。
嫌で嫌で仕方がないのはどちらも同じで彼が言うなら腹は決まっているのも同じなものだから、やっぱりやる事は一つだった。寝室に向かいながら着流しに手をかける。

「つか何、ヤる気あんの」

見れば隣の男のそれは生地を緩く押し上げていた。

「溜まっていた」
「あ、そ」

さして興味もないので会話はそこそこに着流しを脱ぎ捨て布団を敷く。桂もさっさと寛いでいた。胡座をかいて座るその正面に腰を落として四つん這いになりゆるく擡げているものに触れる。今さら躊躇いだなんだと可愛いらしい情緒は全く必要ないのでぱくりと口に頬張った。

「ん、んっ、はむっ…、今日、あの白いのは?」
「、エリザベスと、何度言ったらわかるんだッ…」

ぐいと頭を押さえ込まれ噎せそうになった。

(このやろ…)

今夜は別行動だと上から返事がした直後、裏筋に軽く歯を当ててやる。びくりと動いた脚に仕返しだとほくそ笑んだ。そのままじゅぼじゅぼと音をたてて舌を使ってやれば思いの外早く昇りつめた。尿道をえぐるように舌を差し入れればすぐだった、溜まっていたのは本当らしい。

「っ……!はぁ…ッ」

ふるりと身震いして満足そうに桂は息を吐いた。口内に溜まった粘つく液体を見せ付けるように口を開く。

「早えー」

薄く笑えばムッとしたように眉を寄せ、人差し指と中指を突っ込んできた。舌に乗った精液を掬っては口内に塗りつけ唾液と混ぜ合わせる。

「どうする、こちらを使うか?」

とんとんと、もう片方の指で坂田が置いていったローションのボトルを遊んでいる。ちらりとそれを確認して首を横に振った。以前使われたそれはあまり相性が良くなかったからだ。それだけで得たらしい桂は口の中から指を抜きアナルの表面に塗りはじめる。

「出せ」

ほぐしている手とは別に口許に手を寄せて促された。口腔内で混じり合った液体を掌に吐き出す。そのまま機械的に下半身へ持っていったのでやりやすいように腰を上げた。生暖かい液体が体内に入ってきて小さく息を詰める。

「っはぁ……ッ、あ、ン…ッ」

執拗に内壁を擦られ声があがる。桂とのセックスでは声を出さないようにしている(だってなんだか悔しい)。しかしそれを知っているらしいこの男はいつもわざとそれらしく触れてくる。今もうっすらと笑っているので面白くない。

「…もう、いいっ…ッ」

ぐちぐちと掻き混ぜている指を抜いて張り詰めた屹立に手を添えた。待てと声がして陳腐なパッケージを破り自身に被せるそれを見て、ふと思い出す。

「桂、ゴム」
「ああ」

こちらも思い出したように声を出して、それからがさごそと室内に置いてある棚を漁りはじめた。手にしたのは赤い髪結い用のゴム。

「寄越せ」

無言で差し出されたそれを取って男の後ろに回った。柔らかく長い髪を束ねて結ってやる。二人でセックスする時の決まり事。うっとうしいそれは動くたびに身体に当たるもんだから、なんだかこそばゆくて集中出来ないのだ。もちろん交換条件である。髪を結ってもらうかわりに、

「いくぞ」

正常位、腰を掴まれてくぷりとカリ首を入れられればそのまま一息に穿たれた。

「あっ、はっ……ッ!」
「う、ッ……エリザベス…ッ」

エリザベスって呼ばれる事。
慣れた。


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ドライだけどやる事はしっかりする二人。
20091129

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あきゅろす。
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