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黒バス
赤司征十郎生誕祭2012

「………。」

「そろそろ時間だぞ、緑間。」

「…ここだ。」

「…甘いな。」

「む…」


──部活が休みの12月20日。

何故放課後に、教室で、しかも赤司と緑間が将棋を指しているのか…。

…話は2時間前に遡る。


──昼休み、一軍ロッカー室


「みんな揃ったっスね。」


青峰がドアを閉めたところで、黄瀬が話を始める。


「…んだよ黄瀬。何で昼休みに呼び出されねぇといけねぇんだよ。」

「…察しはつくがな。
ここに赤司がいなく、そして今日という日を考えれば…」

「…誕生日、ですね。
赤司くん、自分で言ったりしないので、忘れていました…」


ベンチに座って話を聞いていた黒子が、
ふと思い付いたように言う。

それを聞いた黄瀬は、表情をパッと明るくし、
話を受けついだ。


「そうっス!さすが黒子っち!
ってなわけで、青峰っちも協力よろ…」

「帰る。」

「峰ちーん?
いつもお世話になってる赤ちんに、何かしようとか思わないのー?」


2mを超える巨体に、ドアの前に立ち塞がれては、
さすがの青峰も退くしかなく。


「…ちっ。しょうがねぇ…んで?何やんだよ。」

「…それなんスよねー…。
部活がオフだからすぐ帰っちゃうだろうし、
だからと言って学校に残っててっていうのも不審だし…んー…。」

「…俺が赤司を引き留めておこう。
その間に、お前たちがここで準備を進めておくのだよ。」


壁に背を預け、静聴していた緑間が策を切り出す。

赤司と共に作戦を立てる身だけあって、
その策も、最善のものであると言えた。


「そうっスね…それが一番かな…。
あの赤司っちと二人きりで長時間居られるのは、
緑間っちくらいっスね。」

「…とにかく、1時間ほど時間を作る。
その間に何とかするのだよ。」

「勿論っス!モデルの本気、見せるっスよ!」


──シャラァアア…!


「黄瀬くん、シャラいです。後モデル関係ありません。」

「じゃあそういうことでー。
峰ちん、ちゃんと動いてねー。」

「わーってるよ!」


半ば投げ槍な青峰の返事を合図に、
赤司の誕生日会計画は実行されることとなった。



──そして今に至る。


「…王手だ。」

「む…さすが赤司だな。完敗だ。」


最後の駒を動かし、戦いの終止符を打った赤司に、
いつもと変わらない、称賛の言葉をかける。

「楽しかったよ。
…さて、今日は練習もないし、そろそろ帰るか。」


盤と駒を片付け、鞄にしまうと、そのまま席を立とうとする。


「待て赤司。…少し付き合ってほしいところがある。」

「付き合ってほしい場所?
…まぁ、今日は特に予定もないからな。いいだろう。」


──準備は終わっているのだろうな、黄瀬…

心のなかで思いながら、2人は教室を後にした。



──一軍ロッカー室前


「…ロッカー室?忘れ物でもしたのか?」

「…そんなところなのだよ。」


ガチャ…と、ドアノブを回した。その先には…


「赤司(くん・ちん・っち)、誕生日おめでとう(ございます・っス)!!!」

「…!?これは…」

「サプライズっス!
…さすがに、簡単な飾り付けしかできなかったっスけど…。」


広い室内を見渡すと、先週から飾り付けられているクリスマスツリー。

そして、昨日まではなかった、
ペーパーフラワーや折り紙、ライトの飾りつけ。

そんな状況に、何をするでなく、とりあえず固まる。


「…これは、一体…。」

「いつも頑張ってくれている赤司くんに、
僕たちからの誕生日プレゼントです。
飾りつけは桃井さんも手伝ってくれたんですが、
用があるということで…。」

「プレゼントとメッセージ、預かってるぜ。」


黒子の横から、綺麗にラッピングされた袋を持った青峰が出てくる。


「『赤司くん、誕生日おめでとう!
あなたにとって、この一年が素晴らしいものになりますように♪』…だとよ。」


そう言いながら赤司に近づき、桃色の袋を渡す。


「…ありがとう」

「赤司っち!俺からも…はいっ!」


青峰を押し退けるようにして、
黄瀬が黄色いリボンのついたラッピング袋を手渡す。


「峰ちん、黄瀬ちんずるいー。
俺もあるしー…はい。」

「…ありがとう。…紫原らしいな。」


少し高い位置に差し出されたのは、前の2人とは違い、
コンビニの袋だった。

目一杯お菓子が詰め込まれたそれには、紫色のペンで、
『Happy Birthday 赤ちん』と、少々乱雑な字で書かれていた。


「赤司くん、誕生日おめでとうございます。
…君には、本当に感謝しています。」

「黒子…」


控えめに差し出されたのは、水色のリボンがかかった箱。

これでは持ち帰るのが大変でしたね…と、
苦笑しながら渡してくる彼に、自然と笑みが溢れる。


「後、これは部員全員からの色紙です。
さすがに100人以上は1枚に入りきらなかったので、
3枚になってしまいましたが…」

「これは…すごいな…」


その字の詰まり具合に、
自分がどれほどの人数の頂点にいるのかを、改めて知る。

受け取って視線をあげると、頭を掻きながら、
青峰が前に出てきていた。


「…その、今日が誕生日ってこと、知らなかったからよ…。
さつきに飾りつけ手伝わされて、選びにも行けなかったから…悪い。」


そっぽを向きながら渡されたのは、
青い根付けの、ザリガニのストラップだった。


「こないだ、間違えて2つ買ってよ…2つとも持ってたってしゃあねぇから…やる。」

「…ありがとう。…ふっ。」

「おまっ…笑うなよ赤司!」


顔を赤くした青峰が突っかかってくる。

そんな様子が新鮮で、更に笑いが漏れる。


「ぶはっ…青峰っち最高!
赤司っちに…ザリガニ…どんだけっスか!」

「うっせぇな!シャラいやつは黙ってろ!」


突如始まる取っつきあい。

それを微笑ましく見ていると、横から控えめに突っつかれる。


「…今年の、お前のラッキーアイテムは、
『ペンギンのぬいぐるみ』…なのだよ。」


スッ…と、控えめに差し出されたのは、
緑色のリボンが首に巻かれている、ペンギンのぬいぐるみだった。

受けとると、その柔らかな手触りに…不覚にも感動してしまい。


「ありがとう…ふわふわする…」

「…!?」


ぎゅー…と、ぬいぐるみを抱き締めて幸せそうな表情をする主将を、
不思議なものでも見るかのような目が、5対…


「…みんな、ありがとう。
正直誕生日のことを忘れていたが…いい思い出になった。」

「"なった"…じゃないっスよ!まだ始まったばっかっスよ!」

「そうですよ。紫原くんが、ケーキも準備してくれたんです。
みんなで食べましょう?」


奥に準備したテーブルを指差し、黒子が促す。


「そうだな。…ありがとう。」


たくさんのプレゼントと気持ちを抱えて…

──12月20日、帝光中バスケ部主将・赤司征十郎は、
仲間たちに祝され、15歳を迎えたのであった…






──おまけ〜みんなのプレゼントの中身〜


黒「時計です。
アンティークの良いものを、付近の店で見つけたので。」

黄「セーターっス!色は普通にブラウンっスよ!」

緑「ペンギンのぬいぐるみ。
後、翌日にだが万年筆を贈ったのだよ。」

紫「お菓子の詰め合わせー。」

青「ザリガニのストラップ…。
さすかにアレだけじゃショボいと思って、
次の日にスポーツタオル渡したぜ。」

桃「マフラー!赤司くん、防寒具を何も着けてなかったから…」


──色紙は額に入れられて飾られていましたよby黒子





.゜。*赤司征十郎 Happy Birth Day*。゜.












間に合った\(^o^)/
だがしかし長い。長すぎる。
指がつるかと思った(>_<)うるるるるるる

キセキの世代では、赤司が1番好きです。
洛山で充実した生活を送ってる赤司様も、
いつか書きたいなー…

赤司様、誕生日おめでとうございます!
来年も是非、お祝いさせて頂きます!←



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