黒バス
Coeur de la jalousie [黄黒]
「黄瀬くーん!」
「今日バスケ部、オフだよね。
どっか遊びに行こうよ!」
「えーと…ごめんね、今日はちょっと…」
昇降口を出た瞬間、黄瀬くんのファンの子たちに囲まれる。
もう慣れたことだが、彼女たちは僕に気づかない。
「なんでー?
仕事って訳じゃないしょー?」
「そうなんだけど…ちょっと先約が…」
「先約ー?何、また青峰くんたちとバスケー?」
純粋な好意だけあって、黄瀬くんは、
強く断ることが出来ない。
そんな思いを知ってか知らずか、
ファンの子たちは競い合うように、自分の元へ誘う。
──…嫌だ。
嫌だ。嫌だ。嫌だ…!
「ねぇーって!
せっかくのオフなら、街行こうよ!」
「ちょ、引っ張んないで…」
──触るな。
彼に…黄瀬くんに…
「…失礼します。」
「黒子っち…」
「…えっ、あんたいつから…」
…いつも通りのことだけど。
…彼が、僕以外の人といるなんて、いつものことだけど。
…でも、それでも…
「すみません、黄瀬くんは僕と約束があるので。
…行きましょう。」
「…え?ちょ、黒子っち…?」
ぐいっ…と彼の腕を引っ張り、
後ろから聞こえる不満の声を無視する。
門を出て、暫くしたところで、黄瀬くんに声をかけられる。
「黒子っち?いきなりどうしたの?」
「…いえ、何でもありません。
無理矢理連れてきてしまって、すみま…」
「黒子っち…」
ぐいっ…と、先程と逆に腕を捕まれ、
人通りの少ない通りへ連れこまれる。
バランスを崩しかけたが、
彼の広い胸に受け止められる。
「…なんです…」
「──ねぇ、黒子っち。
俺がみんなに話し掛けられてる時、どう思った?」
わざわざ目線を合わせて、
何故か楽しそうに、僕の目瞳を見つめてくる。
まるで、僕が何て答えるかを、分かっているかのように…
「…別に、何も…。」
「…聞き方、変えるよ。
──俺が囲まれてるの、嫌だった?」
さらに足を曲げ、僕を見上げる格好で続けられる質問。
じっと見つめてくる瞳に、心までもが吸い込まれそうな気がして。
「…はい。」
「…ありがとう。」
へらっと笑うと、元の高さに目線が戻り、
そのまま抱き締められた。
上からは、幸せそうな言葉が降ってきた。
「黒子っち大好きー。
ずっと一緒にいたいねー?」
「…嫌です。」
「ヒドッ!何でっスかー…」
彼の腕から抜け出し、元の大通りへ出る。
後ろには、少し不満げな声で追いかけてくる人…
…いや、きっと今は、犬の耳が垂れているに違いない。
「…君は、僕と一緒に"いたい"んでしょう?」
「…そうっスけど…?」
「…僕は、ずっと一緒に"いる"つもりなんですが…。
君とは想いが違っているんですね…?」
そうぶっきらぼうに放つと、
急に顔を真っ赤にして、立ち止まる。
「くっ、黒子っ…」
「お腹空いたので、早く行きますよ。」
「はいっス!
…黒子っちは、本当に格好いいっスね!」
「君に言われたくありません。」
「黒子っち、俺のこと格好いいって思っ…」
「黄瀬くん、ハウス」
「ちょ、黒子っちぃー…」
小走りで移動し始めた僕を、早歩き程度の黄瀬くんが追いかけてくる。
──彼が追いかけるのは…彼を追いかけるのは…
…僕だけで…
うわあああああ←
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友人からのリク、嫉妬黄黒でしたー
…嫉妬、してなくね?←
もうどうにでもなれ\(^o^)/うるるるるるる←
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