〇短編アトリエ小説〇
リリアの心配ごと?…マナケミア2より
「ロゼがいなくなって3日…わたくしはどうすれば…」
「お嬢様、そんなおおげさな。戦闘技術科の合宿で8日間いないだけですよ」
いつものようにアトリエの椅子に座って話しているのはリリアとウィムだ。戦闘技術科の合宿でロゼに会えないリリアがウィムに愚痴を零しているようである。
「でも最近のロゼはわたくしに対してなんだか素っ気なかったし…」
「そんなことないですよ。いつも通りのロゼさんでしたよ。それよりもお嬢様…課題のほうは進んでいるのですか?」
「まだなのよ…今からやるからウィムも手伝って」
ウィムが言っている課題とは錬金術科の生徒に出された調合課題のことだ。ちなみに期日は明日までである。
「お嬢様、はやく終わらせてロゼさんが帰ってくるのを待ちましょう!ロゼさんも疲れているでしょうし…」
「…そうね。ロゼが帰ってきたら疲れを癒してあげたいわね!…でも何をすればいいのかしら?」
「それなら私にいい考えがありますよ!お嬢様が…」
「それはいい考えね!ロゼも喜んでくれるわよね…」
「お嬢様がやればロゼさんは絶対喜んでくれますよ!だからまずは調合課題を終わらせてしまいましょう」
「そうね…よ〜し、やるわよ。ロゼ…ふふふ…」
ウィムの考えとは一体何なのだろうか?リリアもかなり乗り気なようである。そんなこんなで調合課題も無事に終わり、ウィムとリリアが2人で何か準備を始めている。
〜そして…戦闘技術科の合宿最終日〜
いつものようにアトリエに来たリリアとウィム。今日はロゼが帰ってくるためかリリアはかなりそわそわしているようだ。
「お嬢様…そんなに心配しなくてもきっと大丈夫ですよ」
「本当に大丈夫かしら…変な風に思われたらどうするの」
「本当に大丈夫ですよ!もっと自信を持って下さい。きっとロゼさんもイチコロですよ!きゅんきゅんですよ」
「きゅんきゅんって…。ウィム…キャラが変わっているわよ。でもきっと大丈夫よね」
とそんな会話を繰り返している所へアトリエのドアが開いた。真っ先に入ってきたのはエトだ。
「ただいま〜、ってリリアちゃんその格好どうしたの?」
そんなエトの元気のよい質問に答えたのはウィムだった。
「これはですね。お嬢様がロゼさんの為に…。ってエトさん?」
「今からエナに会いにいってくるからまた後でね〜」
そう言った時には既にアトリエを出る所までいっていたエトはすごい勢いでアトリエを出ていってしまった。
「もう…帰ってきたばかりなのだからもう少し静かに出来ないのかしら…。それよりもロゼはまだかしら?」
「私がちょっと様子を見てきますから、お嬢様はしっかり準備をしておいて下さいね」
そうしてウィムがアトリエの外に出ようとした時…。なんとロゼが入ってきた。
「あ、ロゼさん。お帰りなさい。合宿はどうでしたか?」
「もうかなりしごかれた…グンナル先生の無茶ぶりが今までで1番酷かった…」
「それは大変でしたね。そんなロゼさんにプレゼントがありますよ。ささ、お嬢様…」
「ん…?」
その直後ロゼの目の前に突然現れたリリア。だかその格好は…
「ロゼ、お帰りなさい」
「お、お嬢様…その格好は…?」
リリアの格好は正に錬金術士の服ではあったが…。オレンジを主体にした服にミニスカートでヘソ出しというどこかの錬金術士を彷彿とさせる格好だった。
「ど…どうかしら?」
「…かわい…はっ。お、お嬢様…そんな格好では風邪をひきます。すぐに着替えてきて下さい」
「え…ロゼ…嬉しくないの?」
そこへウィムがリリアに何か指示を出している。
「ちょっとウィム…今いい所なのよ。え…そんなことを?」
「そうすればロゼさんもきっと…」
「そ、そうね。…よしっ!」
「え、ちょっとお嬢様?う、うわっ…ちょっ…」
〜約1時間後〜
いつもの格好に着替えてきたリリアは改めてアトリエに来ていた。ウィムとユンと一緒に何かを話しているようである。
「一体何がいけなかったのかしら。ロゼに嫌われてないか心配だわ」
「そんなことはない。ヘソ出し+絶妙な絶対領域は…」
「というか…ユン、あなたの作戦だったのね?」
「すみませんお嬢様…ユンさんが絶対自信があるというのでつい…」
「まぁいいわ。それよりロゼがわたくしのことを嫌いになっていないかが心配なんだけど…」
「それなら俺にいいアイデアが…」
と、3人が会議(?)をしているその頃ロゼの部屋では…
「ふぅ…危なかった。もう少しで流れに身を任せてしまいそうになった…。毎度毎度お嬢様は…。ん、何か足音が…」
「ロゼ〜!わたくしのことを見捨てないで〜!」
「うわ…!お、お嬢様…ちょ、ちょっと待って、うわ〜」
この後…ロゼに嫌われていないか不安になって、ロゼの部屋に突入してきたリリアが問題を起こしたりしたのだが、それはまた別のお話…
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