ごみばこ beautiful ――美しいってなに? 純真無垢で汚れのないそれなのか、 華やかに彩られた人工的なそれなのか、 もしくは闇夜に浮かぶ月の様な不変の自然なのか、 不意に口にしてしまう形容詞は、何れその価値を闇に落としてしまう。 斬新、だなんて 叫ぶことが出来るのは 世界のほんの一瞬。 塵、もしくはそれよりも遥かに小さい、心に感じる清涼に過ぎない。 「ね、シュウ」 「なんだい?」 「またあの言葉、聞きたいかも」 ただ、きっと これから先も 『幸』と言う一字を継続的に紡いでいくことは確かなのだろう。 たとえ、そこに捩れがあっても きっと何より直通するものだから。 「美しくないよ」 「…いじわる、」 END [*前へ][次へ#] |