ごみばこ 虚無(感覚喪失ネタ) ※ちょいダーク。シリアス。暗いのダメ〜な人はお引き取り願います。 腐敗した心に 平穏など求めず。 空っぽの躯に 嘆きなど求めぬ。 〜虚無〜 君の為になら何だって出来る。 当時の僕は心底彼女に惚れ込んでいた。 今だってそうだ。 君を愛したいし、抱き締めたい。 だけど、僕の思考回路は完全に腐り蕩けていた。 ━━━原因不明の病と言われた。 コンテストの最中、突如傾いた身体は直ぐさま病院に運ばれ、治療を施された。 勿論、ハルカも付き添ってくれた。 酷く、青白い顔の彼女は今にも泣き崩れそうだ。 どうにか一命は取り留めたが、僕には後遺症が残った。 手足、全身の感覚が無く、硬直して筋肉が動かない。 おかげで、目も開く事も出来なければ、話す事も出来ない。 全く最悪だ。 君に“アイシテル”の五文字も伝えられないなんて。 多分、一生懸命なハルカの事だから今、君は僕の介護に必死なのだろう。 …情けないし、虚しい。 今ではもう、話したり、動いたりした感覚すら覚え出せないんだ。 ただ、一つだけ、 僅かに香る甘い馨は間違いなくハルカのものだった。 …もし、僕の声が君に届くなら “もういいよ” END シリアス、ちょいダークなネタ。 感覚が無い恐さを表現するならどんなだろう、と言う想いを込めながら、リハビリ作として置いておきます。 [*前へ][次へ#] |