オカンと私と ※オカンとオカンと番外編。 ※たまには、夢主さんも恋愛してみる。 ――――― 率直に言おう。 私は今、機嫌が悪い。 「どーしたの、なまえ」 そんな私の隣で、肉まんを食べながら歩くのは私の不機嫌の原因。幼なじみの佐助である。 「…別に、佐助には分からない事だ…っ」 「うっわ、気になる…。なになに?もしかしてさっきの女の子の事?」 芝居がかったように話す佐助に、私の眉間の皺が小十郎並に増えた。だと言うのに、佐助は何がおかしいのかニヤニヤと笑っている。 そう、つい先程。 食堂でばったり会った佐助は、女の子に囲まれていた。楽しく談笑して、ボディータッチとかして、私はそんな友達いないn …とにかく、私はそんな彼が見たくなくて逃げ出したのに。 こいつは平然と私を追ってきたのである。 「ただの友達だって〜」 「ただの友達が腕組んだりして歩くのか!?」 「そりゃあ、あの子等が俺様に気があるからっしょ?」 ブチ、と頭の端で何かがキレる。こいつ好意を向けられてるの分かってて…! 「ふ、ふしだらな行為を食堂でするとは…っ不純異性交友だ!振るならフれ!そんな思わせぶりな態度取っていたら、誤解…され…」 こっちが必死に喋っていると言うのに、隣の佐助は何も言わずにただ楽しげに微笑んでいるので、私はまたカッとなる。 「……何、笑ってる佐助…!」 「ん?いやぁ…なんか嬉しくってさー。それって、ヤキモチだよな?」 …言われてから、ハッと気がついた。そうだ、私は何をこんな必死になっているんだ?付き合っている訳でもない、ただの幼なじみに。 なら、なんでこんなに、 胸がきゅう、と痛くなるんだろう。 「…っ、馬鹿っ!」 恥ずかしくて、照れくさくなって。 顔を背けた私に彼は、大きな手で頭を撫でてきた。 「はいはい、ありがとな?」 なんで、そんな余裕があるんだ…。 「大丈夫だって、なまえ。俺様今の所はどっかに行ったりしないから〜!あいつらの面倒も見ないといけないし?」 いつも通りに笑う佐助に、何だか毒気を抜かれた。 そうだ、今は佐助は離れて行かない。それでいいじゃないか…。 「あ、でもさ」 「うん?」 「なまえは、ちゃんと俺様のそばにいてよ?」 冗談めかしたように、笑う佐助。しかし、目だけは真剣だった事に私は気づかない。 「…うん?当たり前だ。佐助と小十郎と私は今までずっと一緒だったんだからな、」 「…あー、まぁ…今はいいか…」 何故か、肩を落とす佐助を見上げると。 佐助は「帰りますか!」と笑った。 ――――― 幼なじみのジレンマですね。 そして夢主は嫉妬してんのに、佐助からの気持ちには無反応です…ごめん佐助…! 20111210 [*前へ][次へ#] [戻る] |